歌をよんでみたくなる
★★★☆☆
五七調って気持ち良いですよね。 私は特に歌を詠めるわけではないですが、普段の会話や文章が偶然五七調になると何か「ぴたりとハマった」感じがして嬉しくなります。
主人公(の1人)克夫みたいに、溢れるようにとまではいかなくても、自分のふとした日常と感情を三十一文字の姿にしたいなあ、と思うのです。
それにしてもこの克夫、ウエンツだよなあ(笑)
若芽ちゃんの財源については謎のままで良かった。バレ方があまりに唐突で不自然、あれは蛇足。 何も語らず終わるのが嫌ならば、中盤から小出しにすべきだった。
最後のほうが
★★★☆☆
なんだか展開が早いというか、よくわからない終わり方でした。
例えば、克夫が上戸の家に行ったときもっと克夫の心の気持ちを書いてほしかった。あっさりしすぎ。
買いです。
★★★★☆
短歌を軸に国友、伊賀、舞子の三人の交錯する人間関係(男女関係?)を、国友、伊賀の視点から交互に描いた物語です。ストーリーをそれぞれの側からすこしのつなぎ目を作って展開させているので、立場の違いから同じ物事が微妙にニュアンスを違えながら描かれる絶妙の「間」が癖になります。ただ、視点の関係上、短歌以外は全体が語りと科白で構成されており、しゃべっている部分であまりに完成された日本語の連続に対する違和感も多少覚えたりもしましたが、読みやすいので一気に読んでしまえばそんなことは考えもしないでしょう。ところで、巻末に作中に用いられている短歌の原作者一覧が載っているのですが、それに見ると、複数の人の作品が作中で、たとえば伊賀の作品として再構築されていることがわかります。これって在原業平の和歌として作中では出てくるものの、実はいくつかの勅撰集からの寄せ集めなんかも多く混じっている「伊勢物語」と同じ構図ですよね。つまり、本作は枡野浩一氏による現代版の歌物語として読むことができるわけで、そう考えると、意外とかの平安においても「伊勢」がこういうふうに作られたのではないと思い至ったり、「伊勢」のように我々も本作に後人注のようになにかあとから付け加えるのも可能なのではと、そんなことも考えました。
ポップ
★☆☆☆☆
ハーフの美男子なのに内気で、女性に縁のない大学生。憧れの先輩に連れて行かれたのは短歌の会。しかも憧れの先輩の近くには、ある天才歌人がいた。
普段馴染みのない短歌に触れることが出来ます。しかしながら、“短歌”というものがこんなにポップ過ぎて良いものなのか疑問が残ります。小説の方も如何せんポップさが拭えません。
「けなし言葉とほめ言葉は、同じ重さじゃないと思うんだよ。人は生まれてから常に死に向かっているから、ほっておくとネガティブなほうへ傾く、だから絶賛のほうをたくさん浴びるくらいでないとだめなんだ。批判をするなら、より高いレベルの絶賛がいつか生まれるように、作者本人に届くような言葉をつかわないとだめだ」
終盤がお粗末
★★★☆☆
短歌はこういうものなんだと学べる小説でした。
小学校以来、短歌に触れる機会がなかったのですが
この小説を機に短歌が身近に感じるようになりました。
ストーリとしては若者2人を視点にしているので、
実生活ありそうな感じがよかったです。
ただ終盤にさしかかるにつれてぐだぐだな展開に。
目的というか終わりが見えないまま物語が中途半端な形で終わった印象を受けました。