インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ハッピーロンリーウォーリーソング (角川文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
Amazon.co.jpで確認
心地よい軽さ ★★★☆☆
まさにライトヴァース。心地よい軽さです。私が気に入ったのは、次の作品。

シャンプーの容器に入れた血液を飛ばして笑う遊びは禁止
殺したいやつがいるのでしばらくは目標のある人生である
階段をおりる自分を後ろから突き飛ばしたくなり立ちどまる
野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない
無駄だろう?意味ないだろう?馬鹿だろう?今さらだろう?でもやるんだよ!
笑わない母を見舞いに行くために終バスを待つ兄と妹
年齢を四捨五入で繰り上げて憂えるような馬鹿を死刑に
「じゃあまた」と笑顔で別れ五秒後に真顔に戻るための筋肉
平成《叙情短歌》の傑作。 ★★★★★
石川啄木を想わせる、平成《叙情短歌》の傑作。違う所と言えば、喪失感と絶望感の《強さ》だろう。ただ、その絶望の強さを、《笑い》という糖衣にくるんで表現する所に、今時の若者の《したたかな強さ》を感じました。80年代のイギリスのロック・バンドに、《ザ・スミス》というバンドがいたが、共通するものを感じます。絶望を受け入れるのも、一つの《強さ》なんだと思います。
最小限。 ★★★★☆
ひとつひとつ、胸の芯にグサッと突き刺さります。
あるものは、こころを優しくしてくれ、あるものは、こころをえぐるように。
短歌というものは言葉の無駄が一切ないのでその分鋭利です。
「私だけのため」 31文字の世界 ★★★★★
 突然だが、あなたはたったの三十一文字で、一体誰に何を伝えることができるだろうか。実はこう書いた今の一文ですら、三十一文字を越えてしまっている。三十一文字は、それほどの短さだ。

 短歌は、いうまでもなく五七五七七の三十一文字で描かれる詩の一形式であり、枡野浩一は、その不自由な短歌の形式に乗せて、平易な普段使いの言葉で日常の一瞬をつぶやくように切り取る。

 「こんなにも ふざけた今日が あるのなら どんな明日でも ありうるだろう」

 これが短歌なのかと一瞬戸惑いを覚えつつも、しかしその歌に広がる世界が私を捉える。学生時代の一こま、まだ何でも始められるという希望と、まだ何者でもないという不安を抱えながら、それでも毎日が楽しくあったあの頃。そんな原風景をすっかり切り取られ、現に追体験しているかのような、不思議な感覚に包まれる。
 枡野は後書で「『一番いい歌はこれです!』と断言してくれる人も多いけれど、全員の『一番いい歌』が違うみたいです」と書いている。この歌集には余計なものが一つも無く、しかしそれぞれ読む者にとっての、まるで自分のためだけに切り取られたかのような世界がつまっている。彼はたったの三十一文字で、人の心に確かな足跡を残していくのだ。

「こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう」(本書より)という ★★★★★
枡野浩一さんの本が初めて文庫化されました。

表紙が擦り切れるのを覚悟の上で、カバーをつけずに持ち歩き、電車の中で、最初からめくります。最後からめくります。開いたところで明日を占います。表紙や裏表紙や帯をしみじみと眺めます。あとがきを読んで祈ります。赤のページと青のページを見比べます。文字数を数えます。写真を見ます。通話以外の目的で電話ボックスに入っているのは誰。青信号なのにみんな止まっているのはなぜ。