認知言語学の理論を丁寧に説いた本
★★★★☆
本書はタイトルにある通り、認知言語学の理論や考え方を丁寧に解説した本である。
本書の構成としては8章立てになっており、その中で、カテゴリー化、図と地、
プロトタイプ、スキーマ、イメージスキーマ、メタファー、メトニミー、用法基盤、
構文文法等、認知言語学のベースになる考え方を、日本語の用例を中心に、初学者
にも分かるように丁寧に解説している。
その解説では一貫して、生成文法や構造主義言語学など「それまでの言語学」と
対比して書かれていて、認知言語学の性質が浮かび上がるようにしているのが
特徴的である。
扱われている内容は、あくまで導入的な内容であり、主に初めて認知言語学を勉強
する人に向けて書かれている。初めての人でも読破するのもそれほど困難ではない
と思われる。認知言語学の考え方の入門書としてどうぞ。