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読書の方法―なにをどう読むか (光文社文庫)

価格: ¥780
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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   偉大な思想家・詩人であり、また類まれな読書家でもある著者が、読書をとりまくさまざまな事柄について書いた文章をまとめたのが本書である。収録された文章が書かれたのは1960年から1990年代末までと実に幅広く、単なる読書論としてだけでなく、この40年間における著者の思索の軌跡としても読むことができる。

   著者が言うように、本を読むということは「生活のたしになることもなければ、社会を判断することのたしになるものでもない」し、「有益なわけでも有害なわけでもない」。それなのに、なぜ私たちは太古の昔から綿々と書籍を編み続けているのだろうか。本書は、こんな問いに対する明解な答えを与えてはくれない。だが、その問いについて少し真剣に考えてみるきっかけを与えてくれる。

 「なにに向かって読むのか」「どう読んできたか」「なにを読んだか、なにを読むか」という3つの角度から、著者は読書の「本質」について私たちに語りかける。プラトンや『古事記』から漱石やサルトル、そして萩尾望都や江口寿史と、古今東西を網羅する恐ろしく幅広い読書リストが挙げられているが、そんな著者の人生に最も影響を与えた3冊は、ファーブルの『昆虫記』、『新約聖書』、マルクスの『資本論』だという。

   タイトルだけ見れば、「なにを読めばよいのか」を説く手軽なガイドブックかと見まごうが、実は著者の思想の背景が存分に詰まった貴重な1冊である。(深澤晴彦)

よいブックガイド ★★★★☆
読書を続けているとある時点で古典へと向かってゆき、
古典的な名作を読み続けることになる。
これは、よく言われることである。
でも、これをしているとそのうち読書に飽きてきてしまう。
食傷気味になってしまう感じだ。
そんな時、ブックガイドは役に立つ。
一癖もふた癖もある人物のブックガイドは特に、
自分にない新しいテイストをもたらしてくれる。

本書は、単なるブックガイドではないが、
いい本、読みたい本が紹介されていた。
いい味だ。
いろいろ想えて楽しい ★★★★★
分野横断的に仕事をしてきた人だけに、カバーされている範囲が広くても、驚かないし、この本は、いろいろなテーマに応じて語ったり書いたりしたものの編纂だから、これでも、網羅的ではないのかもしれない。それでも、凄いなあ、よくこんなに超ド級の作品群を読んで自家薬篭にして来たものだと、やっぱり少しは驚嘆する。さすがと思うのは、273ページからの「日本の思想書50」という奴で、普通思う「思想書」ではないが、こういうものを、対象に挙げる事自体、著者の力量を感じる。笑ったのは、この作業をやろうと思ったら、あまりのたいへんさに、期限に間に合わなくなって後悔したがおそかった、と言っているあたりで、結構有名になってからでも、手抜きしないで頑張っていたのだなあ、と思う。小説はやっぱり観念性の強いものがお好きな傾向があるようで、ディケンズみたいな凄い作家でもご縁の無いものがあるらしい。アイザック・シンガーが好きで、これは仕事とは別だ、と言っているところがあって、凄く意外な気がした。と同時に、つくづく、いろんな引き出しを持っている人だな、と感心した。
本に対する愛着 ★★★☆☆
 この本は、吉本隆明の読書に関する文章及び対談を集めたものである。吉本氏の読書に対するスタンスが良くわかって面白かった。「読書とは、書物からの知識を得ることより、一種の精神病理だ」というのは良くわかる。
 また、本に対する愛着がよく伝わってきて、楽しく読めた。
 ただ、この本のなかには、「東京の本百冊」「ノン・ジャンルベスト120」等、簡単な解説と書名の羅列だけのところがあるのが残念だった。
中沢新一と吉本 ★★★★☆
中沢新一と吉本との早い時期の対談があり、中沢が吉本から考え方をその後も色々参照しているのがわかる。だが中沢は作家として活かしているのであり、他に活かしようが無いのかと思う。
読んで良かった ★★★★★
吉本氏の読んできた本がわかる。そして何でその本を読んできたのかがわかる。そして読書の楽しみ、喜怒哀楽がなんとなく見えてくる。そんな本である。

人が読んできた本を知るのは、その人の歴史を知ることで、吉本氏の読んできた本、読む姿勢を知るのは、とても嬉しい作業だった。この本は、吉本隆明が書くから面白いのだな、と思う。ただの評論の本でもなく、読む方法が書いてある本でもない、とにかく「面白い読書」が出来る本だ。