おそるべき人類の無知と未来
★★★★★
この本は中世史として読むよりも現代への警鐘として読むことをお薦めする。ギリシャ・ローマで哲学的高みに到達した人類が一挙に暴力と無知と残虐さの集団に成り果てる・・・そしてそれはルネサンスまで1000年以上も続くのだ。同様に、二度の世界大戦と冷戦を経験し、賢明になったはずの人類が今また無意味かつ泥沼の戦争に引きずり込まれている。それは14世紀の十字軍、アビニヨン派のイタリア遠征と少しも変わるところがない。年月が過ぎれば人類は自動的に向上していくと勘違いしている日本人必読の書。