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The Book Thief (Readers Circle)

価格: ¥1,074
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Knopf Books for Young Readers
Amazon.co.jpで確認
ナチスドイツの下での生活を描いた傑作 ★★★★★
 ナチスドイツの下で、共産主義者の父母から引き離され、里親に引き取られた11歳の少女が心やさしい里親に育てられ、戦時下の厳しい生活をいかに生きていったかというお話です。
 私の好きなハッピーエンドではありませんが、(1)ストーリーはとても感動的であること、(2)ナチスドイツ下の国民の生活を描いた小説を読んだのは初めてだったので、興味深く感動しながら読みました。
 文章も読みやすいし、絶対にお勧めの一冊です。
大人も十分に楽しめるティーン向けの本 ★★★★☆
本作品は、子供向けに書かれたものでありながら、その人気はティーンに留まらず、英国において、一般文学のセクションでも長きに渡って販売された Markus Zusak のベストセラー本である。文体も流れるようで読みやすく、多少英語に自身がない読者にもお勧めできる一冊だ。

舞台は、ナチス時代のドイツである。歴史的に重要な時期であるがために、この時代を描いている本は、世の中に数多く存在する。言ってみれば、この時代を舞台にして新しいことを書くというは極めて困難なことのはずだ。それを難なくこなしたばかりでなく、魅力的な物語として世に出した作者の才能に帽子を脱ぐ思いである。

特筆すべきことといえば、先ずはナレーターの死神の存在だろう。時に薄気味悪く、しかし愛情も見せる死神の悲哀と優しさに満ちた語りが、物語に一風変わったスパイスを与えている。主人公のリーゼルが、貧しくも暖かいドイツ人家庭に預けられた9歳の(家族にまつわる哀しい過去があるけれども)普通の女の子であるところもいい。この時代にジューイッシュがどのように虐げられてきたかとか、心ある人々がどのように闘ってきたかというような、悲しみやヒーロー精神を中心とした話ではなく、あの時代、普通の人々はどのように生きていたのかという視点で描かれているというところが斬新的なのだ。

死神から見た世界、少女の成長、家族愛、友情、貧しさとの戦い、文字との出会いと文字への愛、かくまっている青年、戦争、別れと死…さまざまな要素は紡ぎあい、バラバラになることなく哀しくも美しく、そして暖かく綴られる。

そんな日か来たら、自分の子どもに勧めたくなるような一冊である。
So brilliant!!! ★★★★★
第二次世界大戦中のドイツが舞台。
ペンキ職人の家に里子に出され、養父に読み書きを教わり、やがて「本泥棒」となった少女Lieselの生涯を、なんと死神が語る物語。

戦時下の厳しい生活を、少女は、目についた本を盗んでは溜め、飢えをしのぐために畑のものを盗み、したたかに生き延びます。
が、それなりに幸せだった日々は、養父が知人のユダヤ人青年をかくまったことから、大きく変わります。

多くの人が亡くなり、少しの人が生き残ります。
その種明かしを死神は話の半ばで結構してしまうのですが、それが却って話に勢いをつけます。
でも、ラストはかなり予想外でした。

この作者の本をはじめて読んだので、なんともいえないのですが、なかなか癖のある英文です。最初は語り手が死神だと気づかなかったので、何言ってるのかよく分からず、第一章に入ってからプロローグの部分を読み返したりしてしまいました。
でも、これは死神の語り口なのですね。ちょっと皮肉がきいてて、悲劇も他人事といった、ぶっきらぼうな話しぶりです。

それに慣れれば後はぐいぐい引き込まれます。
タフでまっすぐなLiesel、彼女に無償の愛を注ぎ続けるベスト・フレンド(でもそれ以上に格上げはしてもらえない)Rudy、Lieselをword shakerと呼ぶfist fighterのユダヤ人青年Max、そして何よりLieselの心のよりどころとなる養父Hansなど、登場人物がどれもまぶしすぎます。
おしまいの二章はぼろぼろ泣きながら読んでしまいました。

I wanted to ask her how the same thing could be so ugly and so glorious, and its words and stories so damming and brilliant.
ラスト近くのこの死神の言葉が、ズシンと心にきます。
ちょっと早いですが、恐らく自分には本書が今年のナンバー1です。
いい話 ★★★☆☆
ではあった。ホロコーストやユダヤ人の話にnoと言うことは後ろめたい気がするものの、率直な感想を言わねばならない。とてもいい話だったが、文学作品としての出来はそこまででもない気がした。
死神がナレーターというと、技巧的になんとなく凝っていて面白そうな感じがするが、必然性がないと思った。特にナレーターを決めずに、普通の小説のように書いてもぜんぜんいい気がした。
作品は、戦争の終了と共に作品は終わるが、その後も少し知りたいと思った。
とはいえ、作者のディテール描写などは良かったのだと思う。作品を読んでいて、主人公が住む通りが目に見えるような感を覚えた。
涙が止まりません! ★★★★★
数え切れないほどの人の死に関わってきた死神が持っていた宝物は、戦時中のミュンヘン郊外に疎開してきた少女リーゼルの書いた本だった。その本にはリーゼルの暖かくて切ない14歳までの人生がつづられていた。クライマックスはもう涙が止まらない。マーカス・ズーサックの最高傑作。
何もかもが完成している感動作でした。第二次世界大戦のときにナチス下のドイツに住んでいるリーゼルのお話を皮肉だけど、やさしい「死神(Death)」が語ります。Deathの語りがユニークでとても深くて印象的。登場人物たちは一人ひとり強い個性があって、好感が持てる人々ばかりです。話の展開は達人の技って感じでした。最後のクライマックスの一部を真ん中の方で明かしてみるところが素晴らしかったです。結末が分かってしまうのはつまらない、思うかもしれませんが、それが逆にサスペンスにつながって私はハラハラして読んでいました。描写がとても丁寧で、具体的に細かいところまでシーンが頭の中に浮かびます。そして、何よりも感動のラストです。涙が止まりませんでした!!本を読んではじめてこんなに泣きました!!最後の章とエピローグはラヴェル作曲、「亡き王女のためのパヴァーヌ」をBGMとしてかけながら読むとさらに盛り上がります。The Book Thiefは世界中の読者全員に読んで欲しい最高の一冊です。