インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

破軍の星 (集英社文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
Amazon.co.jpで確認
【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:北方謙三/著 出版社名:集英社 シリーズ名:文庫き   3-24 発行年月:1993年11月 関連キーワード:ハグン ノ ホシ ブンコ はぐん の ほし ぶんこ、 シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや 3041、 シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや 3041 南北朝の動乱期、わずか16歳で奥州制圧を成し遂げた北畠顕家。逆臣・足利尊氏討伐をめざし、疾風のごとく京へのぼる。猛き貴公子の生涯を描く長編。第4回柴田錬三郎賞受賞作。(解説・尾崎秀樹)
何度も読み返す ★★★★★
ぎりぎりまでムダをはぶいた文章が、緊迫感をともなって物語を紡いでいく。
誰一人としておろそかに書かれている者がいない。紙面に登場した人物のすべてに、それぞれの想い、それぞれの覚悟がある。
その中心に生きる顕家の聡明さ、潔癖さ、葛藤、ふいに見せる少年らしさや笑顔が焼き付いて、最後の文章を読み終えたとき、涙があふれて止まらなかった。
漢の世界 ★★★★★
16歳にして帝の子を戴きながら京から、陸奥へ。
その若さで一軍を指揮して、さらに陸奥を平定。

自分の大儀を探しながらも、朝廷軍として
鬼神のように働き足利軍を脅かして行く動きは
読んでいて感嘆してしまった。
違う道を選んでいたら、今の東北は違う存在だったんだろうか。。。

後半のスピード力のある文章に、結末を嫌がる自分がいつつも、
一気に読んでしまった。

顕家ももちろんだけれど、彼に従っている臣が本当に一途で
顕家に絶対の信頼というか自分の生を預けていて、
その想いに泣ける。
顕家のラストも泣ける。

漢だな...とうらやましくも思った。


(2009.9.26読)
話としては面白いですが… ★★★★☆
決して本書が面白くないと言うつもりは無いんですが、
楠正成、楊家将等を読んだ後で本書を読むと、同じパターン
の繰り返しである事に、正直飽きを感じる。

北方氏は、たとえどれだけ不利な状況であろうと、決して
後ろを振り向かず、負けると分かっている戦いでも大義の
ために散っていく男を描きたいのだと思います。それこそ時代
を超えたハードボイルドだと思いますし。

ただやはり人間ですから、もう少し人間臭い話が読みたいな、
と個人的には思ってしまいました。史書によれば、彼は20歳で
なくなっている筈ですが、十代の人間には(本書の中では)全く
思えません。時代が違うと言われてしまえばそれまでですが…

色々と書いてしまいましたが、本書が物語としてつまらない訳では
決してありません。ただ筆者の歴史小説の描き方が余りにもステレオ
タイプ的では無いか?と申し上げているだけです。それが良いのだ
と言う人には本書は最高でしょう。
極上 ★★★★★
スケールが大きい。

南朝方の有力な「公家武将」北畠顕家の物語。
歴史好きでも元々南北朝は色々と政治的配慮があったりして扱われにくい時代である上に、足利、新田、楠木といったわかりやすい武将でもなく、印象が薄い人物ではあった。
北畠親房の「御曹司」として若くして奥州に下ったといっても所詮は「お飾り」という印象があったし、顕家諫奏の話も北畠親房の意思という印象が強かった。
こう解釈すればここまでスケールの大きな話にできるのかと、相変わらず北方先生の解釈と「筆の力」に驚く以外の反応はない。
人生が50年で10歳そこそこで大人扱いされる時代とはといっても、10代でここまで完成されると、40すぎても不惑どころか惑いまくっているわが身が辛い。

歴史的事実を踏まえれば「悲運」と呼ぶべき武将なのかもしれないが、本作に関して言えば、読後感はどこまでもさわやかである。
疾走する騎馬隊 ★★★★☆
南北朝という日本史上最も矛盾に満ちた混沌の中で、ただひたすらに純粋に熱く生きた北畠顕家の短くも激しい青春の物語。いかに美しく死んだかを男の価値観とする北方謙三により躍動感満点の主人公に描かれています。北方歴史モノは主人公の選び方が良い意味で趣味に偏っていて、ニンマリさせられますね。北畠顕家もかつて大河ドラマ「太平記」でゴクミ(!)が演じていて、妙に心に残る人物でした。本当にこの若さでこれくらいの武将としての成熟度があったのかどうか。もっと若さゆえの脆さがあった方が(史実はともかくも)共感できたような気もします。それをおいても相変わらず素晴らしいのは北方先生の合戦の描写。特に騎馬隊の疾走感は砂埃の息苦しさや、頬を伝う血の混じった汗の匂いすら感じさせます。