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とんかつの誕生―明治洋食事始め (講談社選書メチエ)

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:岡田哲/著 出版社名:講談社 シリーズ名:講談社選書メチエ 179 発行年月:2000年03月 関連キーワード:トンカツ ノ タンジヨウ メイジ ヨウシヨク コトハジメ コウダンシヤ センシヨ メチエ 179 とんかつ の たんじよう めいじ ようしよく ことはじめ こうだんしや せんしよ めちえ 179、 オカダ,テツ おかだ,てつ、 コウダンシヤ 2253 こうだんしや 2253 明治維新。それは1200年の禁を破る「食べ物革命」だった。天皇の肉食、政府・知識人の西洋料理キャンペーン、そして反西洋食騒動。とまどう庶民はやがて、自分の口に合う牛鍋・あんパン・ライスカレー・コロッケを生み出していく。「洋食の王者」とんかつが誕生するまで、食卓上60年の疾風怒涛を生き生きと描く。 第1章 明治五年正月、明治天皇獣肉を食す第2章 牛肉を食わぬ奴は文明人ではない第3章 珍妙な食べ物、奇妙なマナー第4章 あんパンが生まれた日第5章 洋食の王者、とんかつ第6章 洋食と日本人
とんかつばかりではないよ。 ★★★★★
タイトルを見るととんかつオンリーのように
思えてしまいますが、
実はそうではありません。
とんかつを含めた肉文化の歴史、ととったほうが
正しいかもしれません。

肉文化のところでは
いろいろな歴史を知ることも出来ますし、
洋食を取り入れることによって起こった
さまざまな苦労話もまた
面白いものがありました。

最後に出てくるとんかつですが…
パン粉って日本のは独自のものだということに
非常に驚きました。

この1冊でいろいろなことを
知ることが出来るでしょう。
世界的にユニークな「庶民がつくった食文化」である日本食 ★★★★★
世界の主たる料理文化は、基本的に宮廷文化の一環として花咲いたものである。
フランス料理も中華料理もインド料理も、いずれも王侯貴族の食事ために開発されている。

ところが世界のメジャーな料理文化の中で、際立って異質な成り立ちをしたものがある。
他ならぬ日本料理である。
スシもテンプラも刺身も、江戸期の庶民がつくりあげたものであり、支配階級たる武士たちはほとんど関与していない。
日本の王侯貴族たる将軍家では、逆に一汁一菜の質素極まる食事をしていた。
日本食は、成り立ちからして庶民のものであった。

こういう歴史が、日本人をして「西洋料理の日本化」という取り組みに熱中させることになる。
本書で紹介される「あんパン」の発明者・木村安兵衛が典型である。
「ご一新」前は「二本差し」であった士族が、寝食を忘れ家産を傾けて「たかが食い物」の開発に熱中するのである。
「食」に高い関心を持つ文化背景がなければ、こういうことはあり得ない。

日本人において「食」の文化価値は極めて高い。
例えば日本人の、特に女性ブログには、やたらに「食べ物」の記事が多い。
「食べ物」について語れば、みなが関心を持ってくれるからである。

本書の終わりの方に筆者はこう書いている。
「庶民の総力によって料理を作りつづける、世界でもまれな日本の食の文化」
満腔の共感を捧げたい。
外来文化受容のひとつの典型例 ★★★★☆
内容は本題よりも副題の「明治洋食事始め」のほうがよりわかりやすい。
明治以降、日本が西洋の食文化を取り入れて、「洋食」という食のジャンルが成立していった過程を牛肉、あんパン、とんかつなどを題材にして読み解いてる。食そのものが題材でなく、食文化が題材である。当時の資料に即して着実に論を進めている。この書はあくまでも文化受容の歴史に迫ろうとしたものである。

なぜとんかつが表題になったのだろうか。
やはり洋食の王様はとんかつであるからだろう。それはとんかつがおいしいとかではなく、とんかつこそが肉食という江戸時代には一般的ではなかった食文化を最終的に日本に根付かせることになった功労者であるからである。同様にあんぱんもパンという食材を日本に定着させることに大きく寄与した存在である。牛鍋は先頭ランナーとしての功績は偉大であるが、とんかつやあんぱんの定着の度合いと比べるとすこしばかり格が落ちるのは否めない。

洋食とは日本の外来文化受容の一つの典型例である。現在の日本の食文化は洋食なしであり得ない。そんな現代文化の重要な要素の成立過程を追跡することにより日本文化の、ひいては日本の本質を探る上での重要な示唆を見つけ出すことができるだろう。
上からの西洋食化 と 下のしたたかさ ★★★★☆
 題名はとんかつだが 要は 明治時代に 日本がどのように洋食に取り組んだかという内容である。

 明治維新は 当時の日本にとっては 驚天動地の出来事であったろうと思う。欧米の文明と文化を いささか強引に吸収していった中に 西洋料理も含まれていた点にはおどろいた。

 肉食にしても 明治天皇自身が 肉食をしてまで 日本人に薦めたという事は本書で初めて知った次第である。別に 肉食が文明開化でもないとは思うが 当時の日本人は真面目にそれを考え 「上からの西洋食化」を指導した点は良く分かった。

 一方 本当にしたたかだったのは庶民である。上から与えられた肉食やパン食を 「とんかつ」や「あんぱん」といった 自分達の食文化に引き付け、MODIFYして 全く独自の「洋食」を作り上げた精神は実に闊達であると思った。
 実際 日本の食事は 世界に例を見ないほどの「雑食」である。加えて 自分達で勝手に インスタントラーメンや カツカレーを作ってしまう程だ。
 そんな自由な精神は 例えば自動車産業などにも見られるのだと思う。「物真似が上手だ」と よく言われるらしいが それもそれで 溢れる才気の一つなのだと思う。 
日本のナショナリズムが垣間見れます ★★★★★
『とんかつの誕生』というタイトルで、興味が沸き買ったが、とんかつについては、本の3分の1くらいしか割かれていない。

他は何が書いてあるか。それは日本が1200年間肉を食べない文化であったが、近代化の波のなかでどのように従来の文化を変えていき、西洋人のような肉体になるかであった。
そのために、西洋文化を受け入れるのではなく、すき焼きなどのように、従来の日本の料理に肉を入れていくように、同化させていく形で食文化の近代化が行われた。
そして同化や和洋折衷の中で生まれたのがとんかつやあんぱんなど。

そこには戦前の日本人のたくましさ、ナショナリズムが垣間見れ、大変参考になった。