映画と原作では、いくつか相違する点もありますが、結論と
しましては、映画は映画のビジュアルなおもしろさ、小説は
小説で、だんだんと迫ってくるけど、真相は闇の中・・みたいな
、それぞれのおもしろさがあって、どちらが優れている、とか
そういう感じではない、ということがわかりました。
原作のほうは、主人公ジョアンナの視点を中心に物語り
はすすみ、彼女の妄想なのか、そうでないのか、は、定か
ではないですが、そんなところも、怖さを倍増させます。
いわゆる、スリラー小説の正統派としてのラストは、小説の
ほうがいいような気もしますが、かなり陰鬱な終幕ですので、
映画のほうのラストも、これはこれで、今風のハリウッド映画
では、たくさんの観客を呼ぶには、こういった終幕も、ある意味
仕方がなかったのかもしれません。
いづれにしても、映画も原作も両方とも楽しめる、独自の視点と
個性をもった、佳作であることは間違いありません。