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The Bear and the Dragon (Jack Ryan)

価格: ¥927
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Berkley
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権力とは喜ばしいもの。それが絶対的権力ともなれば、喜びもまた絶大である―― しかし、権力も地球最大クラスのもので、その地球が時限爆弾のチックタック音の聞こえるような状況となれば、喜んでなぞいられまい。CIAの「闘士」から合衆国大統領に転じたジャック・ライアンがおかれているのは、まさにそんな状況だ。雄大なスケールのこのスリラーで、ライアンは、アジアの狂気じみた将軍やロシア人の殺し屋、どこに潜むかわからぬ原子力潜水艦を相手に、もっか身動きもままならない状態なのだ。それに、登場人物の行動の目的が極めて単純明快なのにひきかえ、出てくるコンピューター・テクノロジーときたら10億分の1秒レベルの複雑さときている。「緊急事態だ、おまえイージス・ミサイルの索敵弾頭ソフトのリプログラミングができるか?」――あなたがジャック・ライアンなら、これができるプログラマーを探し出すべきだろう。さもなくばパレードの列に、弾道ミサイルの死の灰が降ることになる。再選には不利な事態である。「本当はこの仕事あまり好きじゃないんだよ」――ライアンはアーニー・バン・ダム補佐官に弱音を吐く。返ってきた言葉はこうだ。「どうせおなぐさみの仕事じゃないだろ、ジャック」
楽しめる小説であることに間違いはない。1000ページを超える長さだが、一気に読めてしまう。なにしろのっけから、メルセデスの防弾自動車に乗ったロシアの諜報部長が、手動発射式RPGロケット(ロケットで飛ばす榴弾)で吹き飛ばされそうになるときている。ライアンが放った腕利きの秘密工作員から、ロシアの諜報部長の代わりにロケットで飛ばされたのは「ラスプーチン」の異名をもつアブジェンコという悪党だ、との報告が入る。これはKGBで売春専門の女スパイを養成する「スパロウスクール(スズメの学校)」をとり仕切っていた男である。事件後間もなく、犯人とおぼしき2人の男が、サンクトペテルブルク市を流れるネバ川に手錠でつながれて浮かんでいるのが発見された。顔はまるまるとむくんで。
深まる謎につれて、ストーリーも緊迫の展開をみせる。シベリアの地に膨大な油田と金鉱が発見され、中国の経歴不明な悪辣首相、ジァン・ハン・サンは、北方への権勢欲をむき出しにする。ひそかに準備される事件に絡む、免職処分になったソビエト軍の元幹部や、天安門事件反体制派の新世代たち、ダニエル・スティールの大ファンで、策略家のジァンの事務総長、リァン・ミン。新技術に明るく、インターネットポルノ中毒のCIA工作員チェスター・ノムリ。彼は日本製コンピュータのセールスマンに化けて中国に侵入している。ノムリはCIAの上司メアリー・パット・”カウガール”・フォーリに電子メールを送る。ドリーム・エンジェルの香水と、通信販売で取り寄せたビクトリアズ・シークレットの緋色のランジェリーで、ミンを「落とす」段取りだ(むろん、神と祖国のために)と。そのミンは、ノムリを「同志」ではなく「マスター・ソーセージ」と呼ぶようになる。そもそもいったい誰がミンの「マスター」になどなれるものか?
ストーリーの組み立てのうまさは超一流だ。地球中を舞台にしたあっと驚くようなサブプロットが絡まり、数ページごとに頭脳明晰な人物たちが新たに登場しては互いの知性の競い合いをする。しかも著者は、各所にちょっとした見解を淡々とはさむことも忘れてはいない。共産主義のいやらしさ、大統領の権限に対する許容しがたいマスコミの介入、毛沢東の性的倒錯、ロシア製拳銃消音装置の質の悪さ(「鋼綿の詰まった缶カラみたいなクズで、10発も撃たないうちに壊れてしまう」)、相手の喉をナイフでかき切るのは馬鹿げているということ(「そんな殺し方では、倒れるときにドサッと音がしてしまう」)、などなどである。つまり本書は、戦場さながらに、読者の気をそそる精密な戦闘用器機に満ちあふれているというわけである。クランシーの小説があったら、アクション映画を見に出かける必要などあるだろうか。
3部作(日米開戦、合衆国崩壊、本作)完結 ★★★★★
4巻中、第4巻で行われるハイパーウォーともいえる現代戦が白眉であろう。しかし、第4巻を楽しむためには、その前に3冊読まなければいけない。

 モスクワの赤の広場での衝撃的な暗殺事件で幕を開ける。SVR(ロシア対外情報局)のゴロフコが乗る車の横にいた同じ車種のメルセデスに対戦車ロケット弾が打ち込まれたのだ。

 話は、アメリカと中国との水面下の駆け引きで終始する。
 中国は、台湾を承認したアメリカを政治的に非難するが、実は、アメリカ側は、中国の外貨保有が底を尽き、破綻の寸前にあることを見透かしていた。
 アメリカは、中国に通商条項(相手国が採っている措置と同様の措置でアメリカが対抗する)の発動しようとすることで揺さぶりをかける。

 そのような状況の下で、中国で適法であるが人道上問題のある堕胎を阻止しようとした神父が中国の警察に殺害されるという事件を通じ、反中国の国際的世論が盛り上がる。
 せっぱ詰まった中国の選択は、「大戦勃発」であった。政治的には優れていても実体経済を理解できない中国共産党幹部の頑迷振りが記述されている。

 中国の政治決定は、人民の幸福とは何であるかと別のところで行われる政治のチェスゲームによって決定される。
 アメリカはその不可解さ(中国人をスター・トレックの異星人のクリンゴンになぞらえている)が理解できないが、中国の政治中枢から得られる秘密情報で先手を打つことができるようになる。

 第4巻は、中国の仕掛けた電撃戦に対し、シベリアの奥地に引き込んでから、ロシア、アメリカ軍がダークスターの助けを借りて猛反撃する。
 また、兵站を断つべく、F117Aナイトホークから最新ミサイル(GBU27レーザー貫通爆弾)が使われる。
 その後も中国のICBMの発射、ICBMの迎撃と手に汗を握るシーンが連続する。

 今回も、ライアン大統領を中心とした、私心を持たない人で構成されたチームが機能する。 

 なお、本書では、アメリカは制裁されるべきは中国であると考えている一方、中国は、戦争に追い込んだのはアメリカと考えている節があり、 日本が太平洋戦争に追い込まれた構図に似ていると感じた。 
中国の人は怒るだろうなぁ・・・。 ★★★☆☆
今回の悪党はこれまでの作品で陰で糸を引いていた中国です。私は親中派ではありませんしどちらかと言えばアンチ派なのですが、それでもそこまでやっていいのかと心配する位中国をコケにしまくっています。共産党独裁、傲慢な中華思想、台湾問題、一人っ子政策、女性差別、宗教弾圧は広く知られている所ですが、国家権力による強制的な中絶、聖職者の殺害、毛沢東を始めとする幹部の異常性癖等、従来の作品には見られなかった極めて感情的で過激な敵意をむき出しにしたストーリーのオンパレードで、ロシア幹部暗殺の企みなど霞んでしまいます。
換言すれば、資本主義、民主主義、男女平等というアメリカが絶対に譲れない価値観を逆手にとって中国の異質さを最大限に誇張している訳で、アメリカ世界一っ!という余りにあからさまで恐ろしくなるほど純粋な感情がほとばしっております。日本も前々作でやっつけられましたが、これ程ひどくはなかったですし一部ご愛嬌な部分もありました。中国の人が読んだら、さぞかし怒るだろうなぁ・・・。

こうした導入部に比べると実際に戦争が始まる後半は些か間延びしています。ジャックの立ち振る舞いも取ってつけたようで、クライマックスを含め余り感心しません。Nomuri(野村?)という名前の日本人スパイが登場し、またしても作者のいい加減さが証明されました。邦訳では一体どうなっているのでしょうか。
なんだかなー ★★☆☆☆
トムクランシーもすっかり筆力が落ちたな、という感じ。やたらとベッドシーンが出てきたり、同じ表現の使い回しや、引用がくどかったりというレベルではなくて、なんというか濃度が薄くなってしまった。しかし一番ひどいのはやはり翻訳。軍人に「○○しちゃう」「あ!○○なんだ」という間延びしたようなという場違いな言葉を話させたり、下位の者に「あなたは~ですか?」と不自然な言葉、最悪なのはこの翻訳者は、これの前の作品でずいぶん指摘されていた、退役したとはいえ一下士官が元艦長に「あんたは、~!」などと翻訳することをおかしいと感じてない軍事的なセンスがまだ続いていることです。。新潮文庫になってから確かにトムクランシーはつまらなくなったが、翻訳がそれに輪をかけている。いったいどうしてしまったんだろう。まぁ、いままでのキャラクターがたくさん出てきたので星を一つおまけ。それにしても、異様に性のシーンやそういう言葉が出てくるのには本当に違和感を覚えます。つまらなくなったー‥
旧共産圏を探るライアン政権 ★★★★☆
 旧共産圏、ロシア、中国の内情を探るライアン政権、
従事するCIA工作員の様子がよくわかります。
 ロシアでは、ベンツに乗っていた売春婦の元締めが
テロによって殺害され、原因不明で、犯人などを
探し出そうと躍起になっていた。 また、ロシアの
長官を狙った犯罪ではないのかと疑われていた。
 欧米人からすると中国人はつきあいにくく、

スパイ行為も難しいらしい。 
そのため、日本の電気メーカーの日本人営業マンで、
スパイ兼、CIA工作員が登場し、大臣に仕える秘書を
買収し、極秘情報をつかむことに成功していた。 
ライアン政権も極秘情報が手に入り
今後の対中貿易に役立てようとにらんでいた。
 所々に出てくるロシアや中国の内情は、驚く真実

ばかりです。 今でも、いかに国家権力が強いか、
人民に自由がないことなど。 また、中国では、
一人っ子政策で、余分な女の子を平気で殺してしまうとか。
外国人が中国で、中国人に技術を盗まれ、赤字に
陥るかなど、深刻な記述が載っています。

ジャックライアンシリーズは初めてかまだ2作目という人には楽しめると思います ★★☆☆☆
 本作のよい点は最後の爽快感です。いつものように最後に大逆転劇があります。しかも正義が悪を打ち負かします。

 反面、本作の悪い点は、他のジャックライアンシリーズと同じワンパターンであるということと差別的表現です。本作のいいところでもあるわけですが、今回も正義が最後に大逆転するパターンです。また今回もヒーローは徹底的に善の存在へ、敵は徹底的に悪の存在へ仕立てあげられています。悪の存在であることを強調する手段として差別も用いています。アジアや時には日本を軽蔑する表現も所々で用いられます。
 読者がジャックライアンシリーズに期待するにはまさにこういうパターンなんでしょうが、最後の爽快感も回を重ねればそれほど爽快ではなくなり、日本人である私にとっては差別表現の不快感が爽快感を埋め合わせてあまりあるようになって来ました。

 結論、私ならジャックライアンシリーズは初めてか1作しか読んだことがない人にはお勧めしますが、2作以上読んだ人にはお勧めしません。(初めての方にはこちらより傑作「レッドオクトーバーを追え」がお勧めですが。。。)