スパイ行為も難しいらしい。
そのため、日本の電気メーカーの日本人営業マンで、
スパイ兼、CIA工作員が登場し、大臣に仕える秘書を
買収し、極秘情報をつかむことに成功していた。
ライアン政権も極秘情報が手に入り
今後の対中貿易に役立てようとにらんでいた。
所々に出てくるロシアや中国の内情は、驚く真実
ばかりです。 今でも、いかに国家権力が強いか、
人民に自由がないことなど。 また、中国では、
一人っ子政策で、余分な女の子を平気で殺してしまうとか。
外国人が中国で、中国人に技術を盗まれ、赤字に
陥るかなど、深刻な記述が載っています。
反面、本作の悪い点は、他のジャックライアンシリーズと同じワンパターンであるということと差別的表現です。本作のいいところでもあるわけですが、今回も正義が最後に大逆転するパターンです。また今回もヒーローは徹底的に善の存在へ、敵は徹底的に悪の存在へ仕立てあげられています。悪の存在であることを強調する手段として差別も用いています。アジアや時には日本を軽蔑する表現も所々で用いられます。
読者がジャックライアンシリーズに期待するにはまさにこういうパターンなんでしょうが、最後の爽快感も回を重ねればそれほど爽快ではなくなり、日本人である私にとっては差別表現の不快感が爽快感を埋め合わせてあまりあるようになって来ました。
結論、私ならジャックライアンシリーズは初めてか1作しか読んだことがない人にはお勧めしますが、2作以上読んだ人にはお勧めしません。(初めての方にはこちらより傑作「レッドオクトーバーを追え」がお勧めですが。。。)