南の島の小さな街。プロペラ機でこの地に降り立ったタエコはハマダという宿泊施設にやってきた。宿の主人はユージ。ほか高校教師のハルナや海辺でかき氷屋を開くサクラが、この宿に出入りしている。タエコは観光をしようと名所を聞くが「ここは観光する場所はない。たそがれるだけです」と説明される。独特の空気が流れ、やさしいような、なれなれしいような不思議な人々にとまどうタエコは宿を変える決意をするが、新しい宿泊施設はとんでもないところだった…。やがてタエコを「先生」と呼ぶ青年が、ハマダを訪れる…。
『かもめ食堂』の荻上直子監督が、再び小林聡美主演で描くヒューマンドラマ。『かもめ食堂』同様に、ゆっくりと心地よく気持ちいい時間が流れていく、やさしくておかしな映画だ。海、空、緑、土が美しく映し出され、その楽園のような島で人生を徐々にリフレッシュしていくタエコの心の変化を追ってゆく。何も起こらないけれど、タエコとともに、見る者の心も解き放っていく演出がうまい。『かもめ食堂』同様に、ハマダの料理もいわゆる家庭料理でおいしそう。こんな島があったら、休みごとに行ってみたいと思わせる、心をやさしく包み込むようなファンタジーだ。共演はもたいまさこ、光石研。市川実日子、加瀬亮など。(斎藤香)
めがねの友達
★★☆☆☆
俺ならマリンパレスに泊まりたいな〜
宿主の薬師丸ひろ子が、可愛いんだもん。(笑)
最後に、もたいまさこ…‥ブキミで怖いわ!(爆)
微妙
★★☆☆☆
「かもめ食堂」は抜群に良かった。しかしこの作品を高評価することができない。「あざとすぎる」というのが正直な印象。
主人公は周囲から「たそがれること」や「彼らと同化する」ことを、そしてこの映画を見てる私は製作者から「この世界観を理解しろ」と無言のうちに強制されているような圧迫感を感じてしまうのだ。主人公と生物教師の会話といい、どうも癒されるところか心がささくれだってくる(笑)
終盤、謎の男性が登場する。ここでどうにか一陣の風が吹いたようなさわやかさが加わるのだけど、それでもラストといい、何か釈然としない。製作側は「かもめ食堂」にとらわれている気がする。かもめ食堂を越えようとしているのか、抜け出そうとしているのかは不明だけど、あざといことをせずに肩の力を抜いて欲しいなと思った。あれはあれ、これはこれ、なんだし。次回作に期待。
ところで「もたいまさこ」の使い方がちょっとワンパターンなのが気になってるのは私だけ?
最高の癒しです
★★★★★
小林聡美シリーズはどれも好きですが、特にこの「めがね」は癒されます。
素晴らしすぎる島の自然に引き込まれ、その自然にばっちりマッチしている出演者の個性、なぜか頭に焼き付いて離れない鍋の中の小豆・・何度も繰り返してみてしまいます。
小豆のレシピに従って自分でも焚いてみました・・・甘さ控えめですが、確かにアイスクリームやかき氷にはピッタリです!
本編と同じくらいおまけのDVDも微笑ましくてよかったです。
かもめ食堂にはおよばないが…
★★★☆☆
空気感、島の情景、食事、そして音楽…これらは最高に心地よいもので、リラックスできた。
途中まではかもめ食堂と違い、ムリヤリ癒されなさい!と言われているようで画面に集中できなかった、というのが正直なところ。これは失敗したかしら…となかばガックリしながらなんとなく見続けて。。
しかししかし、小林聡美が魔法のかき氷を食べたあたりから、自然と癒されはじめたから不思議。私の心も頑なだったってことだろうか?
何も特別なことは起こらない、でも不思議に心地よい。
それにしても、もたいまさこの存在感はすごいですね。彼女の魅力がとにかく大きい。まさにジェット機でやってくる「まれびと」を体現してた。
だからこそ、メルシー体操てのはやりすぎたよなぁって残念でならない。あからさまにシュールすぎない?w
あとはお料理が良い。素朴な家庭料理が食べたくなる。この監督さんが撮る食卓風景ってなんだか良いのである。
ただやはり、すばらしい佳作であったかもめ食堂と比べてしまうと今2、3歩ほど何かが足りないと感じてしまう。
かもめ食堂では、主人公たちは地元の面々とかかわり合いを持っていた。ヘルシンキの地にあの食堂は根付いてゆくのかな?あのまんま続いてゆくといいな…なんて、観賞後もそんな幸福な余韻に浸れたのだった。
しかしこの作品ではいまいち、観賞後の幸福感は感じられなかった。その点は残念である。
悟りの境地
★★★★★
時間の経過と共に、身の回りの環境の変化など、誰にでも起こる私達の生活ですが、この『めがね』を時々見返すと、《ガンバル!》より 頑張らない方が難しい事に、気づいて…
平等や癒しより、差別や争いの世界の方が、私達は楽なのかも知れません。