イギリス・アメリカ・ロシア・フランス・ドイツにおける黄禍論の展開を様々な立場から明らかにしています。
黄禍論が単純な人種差別問題にとどまらず、当時のヨーロッパ人の文明観や歴史観を前提に語られていたことは注目すべきでしょう。

こうした埋もれがちなテーマをしっかりとまとめあげた文献は貴重です。当事者だった日本人が、現在どれだけこの黄禍論を知っているのでしょうか？
本のタイトルだけで敬遠されてしまいやすいのかもしれませんが、非常に重要で興味深い内容だと思います。
とても平易な文章で書かれているので読みやすく、そういう意味でもお奨めです。