誤った先入観や固定観念が自然なお産にとっての
一番の邪魔者であり、自然なお産のためには、女性の
持っている子供を産むという本来の力をいかに引き
出せるようにサポートできる体制を作るかが大切
であるということを強く訴えかけてくれているのが
本書です。

　ヒトと動物を単純に比較するのは間違っているかも
しれません。しかし、哺乳類の動物が子供を産む時や
交尾をする時のことを少し考えてほしいのです。
そして、私たち人間がセックスをする時のことを。
　如何でしょうか？
何だか少し共通点が見えてくるような気がしませんか？
ということは、ヒトがお産をする時にもきっと良い環境
というのは…。

　個人の自由や選択の自由という意味での自由ではなく、
ヒトが持っているお産のために一番力強い自由を発揮
するためのヒントを思い出させてくれるはずです。

　少し古い書籍ですが、自然なお産を望む夫婦だけ
でなく、お産に関わる人が読むと後々何かと役立つ
ことと思います。(お産の状況が赤ちゃんに与える
影響や心身症の根本的な問題についての解説など)
但し、少し生々しい写真が多いので注意が必要かも
しれません。

日本に何度か訪れ、各地で講演をされたこともあるミシェル・オダン博士の求めた自由なお産の世界を全世界に発信したこの名著は、女性を解放すると言う点と、お産するのは母親自身なのだから、その母親のしたいように援助するというポリシーに貫かれた素晴らしい本です。薬と医療介入で自分の意思を奪われた密室でお産するのではなく、自分が産む、女性と産む、自由に産むということを強く支持してくださるオダン博士の言葉がさえわたります