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価格: ¥978
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Laurel Leaf
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悲しくも美しき寓意小説 ★★★☆☆
 ロイス・ローリー"Gathering Blue"の続編。

 今回はマティ(前編ではマット)が主人公。虐げられた者、逃亡した者たちを受け入れて作られた村で、マティは見者と呼ばれる人と暮らしている。マティにも役割があって、それは村と外との世界を行き来してメッセージを運ぶことだ。というのも、彼だけが村と外の世界の間に広がる森の道を迷わずに旅することができるからだ。マティはいつか「伝令者」という真の名で呼ばれることを期待している。

 平和なこの村にも異変が訪れる。いつの間にか人々が交換市でものを欲しがり、ついには自らの心をも引き換えてしまい始めたのだ。率先して人々を受け入れ教育を施してきた助言者が、一転して「村を外界から閉鎖する」嘆願を主導するようになる。村長の役を司る指導者も、ついには村人の意志を受け入れざるをえなくなる。

 マティは「村の閉鎖」という最後の伝令を運ぶことになる。彼は外界で暮らす見者の娘を村に連れて来ると心に決めて、邪悪に満ちてきた森へと出発する・・。

 次第に重苦しくなった末に希望の光が見えるという展開は前作と同様。ラストはこれしかないのだろうが、次回へ向けての引きという印象は否めない。もちろん、誤解のないように言っておくと、独立した一編として読める。