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統計学を拓いた異才たち(日経ビジネス人文庫)

価格: ¥1,200
カテゴリ: 文庫
ブランド: 日本経済新聞出版社
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20世紀の統計学者の列伝的な本 ★★★★☆
統計学なんてまともに勉強したこともなかったのですが、
タイトルにひかれて読んでみました。

20世紀の100年間を中心に活躍した統計学者の列伝的な本です。
統計学を少しだけかじったことのある自分にも馴染みのある、
「スチューデント」が何者だったのかとか、読み物として面白いです。

数式こそ出てきませんが、統計的な理論、考え方に言及している箇所があり、
若干難解に感じるかもしれません。
そんな箇所を読み飛ばしながらでも、十分に知的な刺激を得られる一冊です。
統計学の様々なエピソードを数式なしに紹介 ★★★★★
今から20年以上前に、日科技連の医薬品に関する統計の研修を1週間受けたことがあります。なかなかハードな内容でした。PC-9801を使って、Basicでプログラムを組んだりしていました。Fischerの直接確率など次元が上がるとお手上げで、もっぱらχ2乗検定を用いていました。
今では自分で検定したりすることはありませんが、当時の経験が論文などを読む時に「これは変」ということがわかったりします。
本書は統計学の様々なエピソードを数式なしに紹介してくれます。その背景がわかることで、「だからこの場合にはこの検定を用いるのだ」という理解にもなります。最近みかけるようになった「ITT(intent to treat)」という概念もすんなり飲み込めました。

数学と現実を結びつける最初の事例が紅茶婦人というのも印象的です(訳者は状況が違うかもとしていますが)。
以前、会社で新入社員研修をしていたとき、「5%の有意水準」を理解させる時には、「私は抛り上げたコインの裏表を自在に操れる」という仮説を示し、何回連続して表を出せば信じるかという方法を用いていました。
いずれにしても、一寸統計をかじった人間にはとても面白く読めました。