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The Confusion: Volume Two of The Baroque Cycle (P.S.)

価格: ¥1,399
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Harper Perennial
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「混乱」の「バロック・サイクル」シリーズ第二巻。 ★★★★★
本書の舞台は名誉革命後のウイリアム3世の時代である。
作者がインタビューで「これは金融小説である」と言っていたとおり、本作ではまだ資本主義体制の確立していない混乱の社会経済体制にかなりのページ数が割かれている。といってもいまだ資本主義の黎明期といった時代なので、「為替」のしくみや「イングランド銀行」創立といった、歴史的な部分が大きい。
そういった経済戦略を進めようとする前作の主人公の一人エリザは私生児を生んでおり、イングランドへ逃れようとするがとらえられ、ヴェルサイユで事実上の虜とされてしまう。そのベルサイユ宮殿はできたばかりで、主である「太陽王」ルイ14世は海外侵略戦争をめぐってウィリアム3世と対立、「第二次百年戦争」とも呼ばれる争いを始める。一方もう一人の主人公ともいえる「キング・オブ・ヴァガボンド」ジャックはガレー船の漕ぎ手に身を落としていたが、仲間たちとはかって新大陸から銀を積んでくるスペインの船を襲おうとしていた。しかし実はその積荷は銀ではなく「ソロモンの黄金」であるとされ、それはエリザと対立するライプチヒの銀行家、そしてアイザック・ニュートンが狙っているものだった。さらにもうひとりの主人公であるダニエル・ウォーターハウスは、エリザに恩があり、ライプニッツと親交のあるハノーヴァー(のちのイングランド王家)から、ライプニッツとニュートンの仲のとりなしを求められる。そのライプニッツはプロイセンやロシアにアカデミーの建設と普遍言語の完成を目指していた。一方のニュートンは精神的な危機に陥っており、議会の政争の一環からダニエルは造幣局長官となるようニュートンを説得するよう依頼される。
膨大な筋書きと登場人物と知識、交互に語られる主人公たちのエピソードと、それぞれがむすびついていく様子は、お互い敵となるのか味方となるのかと、今巻はスリリングでもある。なかなかページ数は多いが、それ以上に多い物語に次巻が大変楽しみである。