本書では、記号論理学の基礎的な諸概念、基本的な考え方を習得しつつ、論理的で厳密な思考態度の養成を期待することができる。等号を持つ古典的論理による初等的な証明の技法として、本書ではタイトルのとおり「タブローの方法」による証明方法に重点が置かれている。(というより本書は、タブロー法の解説本である。)タブロー法は、他の証明!方法(例えば自然演繹法)よりも容易に習得できるという利点があり、コンピュータのプログラムのように有限回数の機械的方法によって処理することで証明を行うことができる。
具体的な内容として、第2章真理関数の「ならば」をどうするか、というところでは、「日常的な使い方との少々のずれには目をつぶって、・・・」というような表現もあるのはご愛敬か。なお、第4章と第8章の内容は、ヘビーである。
また、本書では「論理の本質」に関する哲学的な面からの考察は無いが、本書を読み進めるに従って論理学は、哲学的であることを感じ取れるのではないだろうか。
哲学やコンピュータ、それとアルゴリズム、人工知能による推論に関心のある方にもおすすめである。
以上