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タブローの方法による論理学入門

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝倉書店
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現代論理学は弁論術ではない。 ★★★★★
論理学という言葉にはある種のオーラがあります。論理的思考を身に付けたいから、議論に勝ちたいから、論理学の本を読んでみようなんていう人がよくいます。司法試験の勉強に行き詰まった人も手を出したりするようです。現代の論理学は数理論理学と呼ばれるようにほとんど数学です。集合論のメンバーシップを定義する文章が命題として記号化されます。後は論理計算ですね。
したがって、日常生活はもとより、ビジネスの場でもあまり応用できるものではありません。とくに説得が主な目的となるビジネスミーティングの場で、論理学的な言い回しをすると、逆効果です。また、法律は論理的だといわれますが、純粋に公理系にまとめられているわけではありません。特に日本の法律はパンデクテン方式でまとめられているので、公理系を志向しているのかもしれませんが、最初から順番に読んでいけば論理的に必ず分かると言うものではありません。法律で一番重要なのはロジカル・シンキングではなく、リーガル・マインドというバランス感覚です。
とは言うものの、論理学は面白い学問です。数学のようで、数学ではなく、国語のようで、国語ではないという微妙な学問です。論理学の始まりはアリストテレスですが、それを数学とつなげたのはブール代数で有名なブールです。その後、フレーゲ、ラッセルによって現代の数理論理学となりました。
著者の本でよく論理学的な論証方法で、ある主張の証明が行われます。特に、対偶からの証明を使われると、さすが論理学者(ロジシャン)と思ってしまいます。対偶が偽であることを証明すれば、元の主張が真であることが証明されるというものです。個人的には好きな論証方法ですが、一般向けではないですね。
ひととおりの役割は終えた本 ★★★☆☆
●私の経験上、論理学を理解するにはタブローから入ってゆくのが最も平易です。本書はその趣旨に正統的にのっとった本であり論理学入門としてはまさにうってつけです。
●タブローが使いこなせるだけでならばそれを会得したとはいえず更になぜそれが正しい結論を導くのかという証明を迂遠ではありますが理解する必要があります。それが4・8章の内容にあたります。
●が本書を読んだ結果名大出版会の「論理学をつくる」の記述の方が本書4・8章と同内容にもかかわらずとても懇切で分かり易いことが判明しました。ですから本書と同じプロセスで論理学を学びたい場合「論理学をつくる」にあたること勧めます。
●本書を読むことががまったくの無駄というわけではなく一部「論理学を〜」と同じ論点にもかかわらず違うアプローチで解説している箇所がいくつかありました。ですから「論理学を〜」の副読本として理解を深める為に傍らに置くのもよろしいかと思います。
タブロー法の教科書ではあるが・・・ ★★★★☆
 論理学はその歴史を2000年以上持っている。現代論理学は19世紀末の大きな改革を経て数学的となり「論理学といえば記号論理学」を意味するようになった。しかし、本書を読むにあたっては、数学の知識は一切必要ない。そのような余計な「ハードル」は一切ないのである。そのかわりに、本書を理解するには、紙に実際に書いてみるという地道な作業が必要となる。

 本書では、記号論理学の基礎的な諸概念、基本的な考え方を習得しつつ、論理的で厳密な思考態度の養成を期待することができる。等号を持つ古典的論理による初等的な証明の技法として、本書ではタイトルのとおり「タブローの方法」による証明方法に重点が置かれている。(というより本書は、タブロー法の解説本である。)タブロー法は、他の証明!方法(例えば自然演繹法)よりも容易に習得できるという利点があり、コンピュータのプログラムのように有限回数の機械的方法によって処理することで証明を行うことができる。

 具体的な内容として、第2章真理関数の「ならば」をどうするか、というところでは、「日常的な使い方との少々のずれには目をつぶって、・・・」というような表現もあるのはご愛敬か。なお、第4章と第8章の内容は、ヘビーである。

 また、本書では「論理の本質」に関する哲学的な面からの考察は無いが、本書を読み進めるに従って論理学は、哲学的であることを感じ取れるのではないだろうか。
 哲学やコンピュータ、それとアルゴリズム、人工知能による推論に関心のある方にもおすすめである。

以上