歴史的傑作
★★★★★
過去三作も傑作だったアニコレだったが、今作はそれを更に越えてしまった感覚。
一言でいうと歴史的傑作、名盤。10年に一枚の出来だ。
まず一曲目、サンプラーを通した大量の音がビートを形勢していき、そこにアコギのアルペジオが入ることで美しいメロディが鳴る。そしてサビに入る瞬間の展開は神がかっていて、完璧だと思った。
アルバム全体を通して色んな曲があるが使ってる音はどの曲も似ていて、アルバム全体の統一間を生んでいるが一曲一曲にしっかりとした個性があり、サイケデリックでありながらポップで聴きやすい。
脳の中の音楽
★★★★★
アニマル・コレクティブを聞いたのは今作が最初でしたが、メロディーの断片を追っていくうち、いつの間にか複雑に折り重なった彼らの世界に迷い込んでいる自分に気付きます。
定式化しないポップさが彼らの魅力と思いますが、他の諸作と比較してよりメロディーがクリアで、中期ビートルズ的な色彩を感じます。
夢うつつで聞こえてくる子守唄や、残響の中耳にするハーモニー等、頭の中で鳴っている音像を意図的に抽出し再構築する手腕が抜きんでています。
音響・演奏技術などテクノロジーの進歩による恩恵を、ポップ・ミュージックとして自然にセンス良く聞かせるという点で、今後の指標になりうる作品ではないでしょうか。
半世紀を一気に飛び越えて未来を見たような、不思議な感動のある作品です。
うねうね
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年の初めに出たアルバムなのに、けっきょく一年じゅう話題に上り続けましたね。その時点で凄すぎるアルバム。何年かして音楽雑誌が「2000年代特集」なんかを組むようなことがあれば、間違いなく載るでしょう。それくらい素晴らしい作品です。
彼らが昔はフォークやってたなんて、今はじめてアニコレの音楽に触れる人には絶対分からないでしょう。馬鹿にしているのでも何でもなく、単純にそうなんです。ギターどころか生楽器もろくに登場しない、ほとんどアンビエントみたいな音作り。歌いまくりのシンセ鳴りまくりでかなり賑やかなのに、どこか醒めていて抑制的。だから聴いていて全く違和感を感じない。心地いい。1曲の長さはだいたい4〜5分で、そんなに短いわけでもないのにいつのまにかループして聴いてしまっている。アブストラクト(抽象的)とか言っちゃ身も蓋もないでしょ、「大らか」と形容しましょう。聴き手を限定せず、聴き手に何も要求しない、ポップとはこういうことですよ。そういう自由のあり方をスノビズムと誤認して、勝手に高尚なものだと見誤っている人がいたらアホですね。老若男女関係なく聴かれるべき名盤。
2009
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メンバーがそれぞれ別に拠点を構えるというユニークなスタイルで活動してきた米国のグループの8枚目にあたる本作。テクノロジーを駆使した特異なプロダクションと明るいボーカルのメロディの組み合わせが、ポップでありながら、シュールな音響空間を生んでいる。
21世紀のペット・サウンズ
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…とか、将来言われるんだろうな。もう言われてるかな。アニコレ初心者の自分には分からないですが…。
ビーチボーイズ等の60年代ロックを思わせる、美しいハーモニー、ポップなメロディ。そして幻想的なサウンドが、夢のような世界へと聴く者を連れていくようだ。いやこれは素晴らしい!若者からビートルズリアルタイマー世代まで、聴く価値のある作品でしょう。
ちなみに、ジャケットは、紙ケースの中に紙ジャケが入っているエコ仕様。アートワークも幻想的で素敵です。