深すぎて着いていけず、、、
★★★★☆
このアルバムはイギリス人らしい彼らならではの内容に仕上がってます。
なので、日本人の私には、分かるようで難しい、、、
曲も今までのように、キャッチーだけど根は暗い影があるというより、キャッチーな曲もなく、曲も内容もただ暗いという気がしました。
末世の泡沫への供物
★★★★★
PSBもついに来たるべきところにまで到達したかというような作品。
80.90年代のディスコシーンから一転、前作までの世界観にひと区切りをつけ新たな境地に到達した今作は、それまでの愛(特にゲイカルチャーシーンにおける)を中心としたテーマの創りとは明らかに異質な雰囲気を窺わせる。今までのノリと同じようなタイプの曲は3〜4曲程度で、あとは社会問題や退廃した世の中に対する絶望を超えた諦観を歌っているものがほとんど。それを端的に匂わせるのが6曲目のインストナンバー「ゴッド・ウィリング」で、何か世界の終末における審判と裁断と贖罪と福音を象徴しているかのようなフシを感じてしまう。
ファーストシングルにもなった「ナム」に描かれる詩世界はあまりにも痛々しく、実際まともな神経でこの社会と接することの不可能性を逆説的に照射しているようにさえ思える。多かれ少なかれどこかで狂った部分がなければ生きていけない、そんな人間や社会の在り方を今までも独自の方法論でPSBは皮肉ってきたが、この「ナム」にはもはやそんな皮肉さえ存在しない。剥き出しになったありのままの殺伐極まる現実を前に立ち尽くし、眺めるだけ。全ての感覚を遮断することを望みつつ。
時代を創ってきた数多のアーティスト達が必ずそうであったように、この作品を聴いてひとつだけ確信出来たのは、PSBはすでに時代という名の役割と使命を果たし終えたということだ。
末世を感じさせる昨今、新たな時代を切り開けるアーティストが出てくるのか、それとも・・・
P.S.B. 最高!!
★★★★★
アルバム聞いて、何か懐かしいPET SHOP BOYS 80's POP らしさを感じた!!
何回聞いても聞き飽きないアルバム!
是非、お勧めです!!!
最高傑作?
★★★★★
との評判でしたが半信半疑でアルバムを購入し聴いてみました。アルバムを聞き終えた感想は一曲一曲がバラエティーにとんでいるにもかかわらずアルバムとしての統一感が強く感じられると思いました。サイコロジカル、ミニマルといった小気味いい癖になりそうな中毒性のあるナンバーがおすすめですね。過去のヒットナンバーを彷彿させる要素がいたる所にちりばめられているのもとても良かったです。
「基本」に忠実なアルバムです。
★★★★★
ペット・ショップ・ボーイズ(PSB)のオリジナル・アルバムは、1曲目を聞くと「おやっ」とこれまでとの違いを感じさせるくせに、最後の曲まで聞いたところで「やはりPSBはPSB」と安心させるのが、ここ10年余りの傾向である。これでもかとシンセの音を重ねまくった「ベリー('93)」、ラテン音楽への憧憬が感じられた「バイリンガル('96)」、オーケストラを全編に配置した劇場型の大作「ナイト・ライフ('99)」、そしてメロディを生かしたアコースティックタッチの「リリース('02)」と一作一作方向性は違えど、ほぼ3年ごとに味わいのある作品をリリースしてきた。
前作から4年。その間にもリミックスアルバム(「DISCO3」)とベストアルバムのリリースをはさんでの新作のタイトルはなんと「基本」。今回もやはり1曲目から「おやっ」と思わせるが、実はその驚きはタイトル通り彼らのシンセ・ポップの基本を感じさせることにある。それはアルバム全体を通じて変わらない。その片鱗はベストアルバム収録の原点回帰的サウンドの「フランボヤント」にあったと考えることもできる。一方で彼らの好みのシアター系ミュージカル音楽としての機能が全曲に感じられるところが、これまでの彼らのキャリアの1つの到達点となる作品であることを伺わせる。
その「フランボヤント」の秀逸なリミックスを収録したこの2枚組のリミテッド・エディションにも彼らの計算が感じられる。おそらく今一番ダンスフロアを支配できる男、リチャードXのリミックスから始まるCD2は、PSBのDISCOシリーズの最新作と言っても差し支えない内容である。このようなリミックス集とのカップリング自体は特に珍しくないが、PSBとしては初めてであろう。アルバムの各曲がリミックス集と比べてまったく遜色ないのは、やはり各曲が「基本」に忠実でアルバムとして1つの作品になっているからと思う。自分達の作品をどのように提示するのが効果的か、常に理解しているからPSBは無敵なのである。