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臨床医が語る脳とコトバのはなし

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本評論社
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臨床の知 ★★★★★
題名が示すとおりの臨床医による言語活動の脳における基盤に関する話。いわゆるサイエンスライターの書くものとは異なり、読み物としての完成度(洗練度)にはやや欠ける恨みがあるが、自ら関わった患者との臨場感溢れる話題に満ちており、ラマチャンドランの本同様大変に面白い。患者に対する臨床医の優しい眼差しが文章から感じられ好もしい。また説明が的確であり、説得力がある。研究史の話、サルと人間の言語能力の差とその脳基盤の対比(ミラーニューロンの話は面白い)など興味ある話題に溢れている(H17.12.28)。
知りたいから調べる ★★★★★
著者は自分を訪れる患者さんの様子から、なぜそうなるのか、脳になにが起きているのか
を、実際の論文や研究、調査結果から説明しています。
専門の勉強をしていなくても、わかりやすい内容です。
同じ脳損傷でも、損傷の部位が微妙に違うと現れる症状が違います。
そういったことを、実際に著者が患者さんを調べ、実験し、調査し、答えを出しています。
この姿勢、「わからないから調べる」、「知りたいから調べる」、とても大事ですね。
脳の働きに興味をもつすべての人に ★★★★★
言語を操作する脳の働きを平易に解説した本。厳密には岩田教授の著作ではなく、教授の口述を基に編集者が起こした原稿を補筆した作品である。文章は大変読みやすく、わかりやすい。編集者のご主人は神経難病で岩田教授の診療を受け、13年の闘病の末亡くなられた由。編集者の思いがこもった丁寧な造本となっている。

書かれてあることは、神経心理学が苦手な私でさえ易しいと感じるほどに基本的な事柄であるが、説明が明快であり、また、含蓄が深い。この奥に深い教養が隠されているのがよくわかる。なお2000円ほどでタキストスコープもどきの道具を作り、これで大きな仕事をした話が出てくるが、かつて講演で後日談を伺った。某教授にその話をしたところ、その教授は金額を4桁間違えて感心された由。こんなに安価に仕事ができるとはふつう考えないから、それも道理である。創意工夫の大切さを教えるエピソードであるが、翻って今時の大学に、そんな心の余裕があるだろうか。研究環境について言えば「荒廃」といってよい風景しか、私には浮かばないのだが。

難しいことを易しく解説する能力は大変貴重であるが、岩田教授はここで二重に損をされている。第一に、そのような能力は同業者から評価されがたい。しかし一読の価値は十分にある。また第二に、本書は装丁が立派すぎて、一般の人には手を出しにくいように思われる。勇気を持って、是非手にとっていただきたいと思う。