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こころだって、からだです

価格: ¥6,538
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本評論社
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脳科学、遺伝子工学・ゲノム解析が解き明かしつつある「こころとからだ」 ★★★★☆
著者は、東大医学部卒業後、大学付属病院を経て、理化学研究所脳科学総合研究センターでチームリーダーとし双極性障害を研究している精神科医。脳科学、遺伝子工学によって、これまで「理性と感情」「思考と感覚」「こころとからだ」のように二項対立として捉えられていた事柄の垣根がみるみるうちに低くなっているが、本書もそれを実感させてくれた。

双極性障害については、血小板のカルシウム濃度、MRIの「白質高信号」、リチウム・バルプロ酸の神経細胞を増やす作用について説明しつつ、次のように述べている「遺伝的な要因などによる、細胞内のカルシウムイオンやその他の情報伝達(神経栄養因子など)の変化から、神経細胞同士のつながりを状況に応じて変化させる働き(神経可塑性)が障害されている。そのために、ストレスに対し通常は慣れていくのに、逆にどんどん弱くなってしまうような変化が生じ、躁状態、うつ状態が起きやすくなっている。これは現時点では仮説にすぎません。今後の研究による検証が必要です」(p.094) また「ミトコンドリア」のコラム(p.095-100)も大変興味深かった。それは、ミトコンドリア遺伝子の、約16,000のDNA配列の内、3644番目のところに、珍しい配列が一ヶ所見つかり、多くの双極性障害の患者のDNAを調べてみると、健康な人では734名中1名にしか見つからなかったこの配列が、患者では630名中9名(つまり70人に1人の割合、健康な人の約十倍←引用者計算)が見つかったというもの。

薬物の効用も具体的に示されているのはありがたい。リチウムは細胞内の「イノシトールリン脂質系」という情報伝達系に働き効果を発揮すること。カルバマゼピン(テグレトール)は、躁状態への作用の他、再発防止作用があり、バルプロ酸(デパケン)も躁状態への作用、再発防止作用があり、リチウムと同じようにインシトールリン脂質系に利くとも、抑制性の神経伝達物質であるGABAの働きを強めるともいわれているそうである。

双極性障害のみならず、「親の養育・虐待とうつ病の関係」について書かれたいくつかの章も読み応えがある。さらには統合失調症、ADHD、摂食障害、依存症などさまざまな問題について一通り触れられているが、そのいずれも「こころとからだ」を同時に捉えており、大変興味深いものであった。
躁うつ病患者必読の一冊 ★★★★★
「躁うつ病のホームページ」の加藤先生の待望の本が出版されました。
「躁うつ病とつきあう」以来、2冊目の一般向けの本です。
躁うつ病専門の本ではなく、精神疾患全般について一般向けに解説した16章と、脳と心に関するコラム16編からなる本です。
もちろん、躁うつ病についても、研究の最前線を含め、解説しています。
中島らもさんの言葉をタイトルに使っています。
躁うつ病の治療中の方は必読の一冊です。