縁あってこの本と出合い、その世界に入り込んでみた。
最初は古臭くて黴の生えた散漫な話かと想っていたが・・・

読んでびっくり、もともと長大なストーリーを凝縮してあるせいか、息もつかせぬジェットコースターストーリー。
次に何が起きるか全く想像がつかない一大エンタテインメントとなっている。奇想天外。実に面白い。
京極夏彦の文庫ばりに分厚いのだが、あっというまに読破してしまった。
現代語の語り口も読みやすく、登場人物の科白と対比されて心地好いリズムを作ってくれている。
薬師丸ひろ子の映画しか知らない方も是非御一読あれ。

日本を代表する怪奇小説。江戸時代後期に書かれた曲亭馬琴の作品。壮大な物語を上下巻２冊でまとめた現代語訳で、読みやすくまとめられている。

これをファンタジーと呼ぶのは抵抗のある人も居るかと思うが、店長一休、あえて分類する。自由な発想、壮大なスケール、平成の現代においてもなお色あせることのない奇想天外さはまさにファンタジー。ＮＨＫの人形劇でハマった人も多いはず。何度読み返してもイマジネーションがくすぐられる一作。※多くの訳本のある中、上下巻という簡潔さと読みやすい文章、原作のニュアンスに忠実に、という姿勢からこの版を選んだ。