基本的にドライなI'veのサウンド世界に自らを同化させながら、しかし一片のセンチメンタリズムをすべりこませる巧みなヴォーカル、といったこれまでの印象を踏襲しつつ、アルバムとして通して聴くことでよりナチュラルな“女性視点”を強く感じさせるものに仕上がった。これまでの活動の集大成的な作品だけにファンにとっては新味は多くないだろうが、聴きごたえ十分な1枚であることは確かだ。(安川正吾)