体系立っていて使い勝手がよい。RFPを作成する際にも、内容に漏れがないかを確認する際にも役立つものと思う。
RFP関連の本、どれか一冊だけ薦めて、という方にはこの本を推薦します。
目次程度で十分というのであればITコーディネータの
テキストあたりでも用は足りると思う。
IT屋さんが言うRFPは、なんだか面倒くさいシステム用語の羅列で、「あそこの客はシステムが全然わからない、RFPもまともに書けない」みたいな使われ方をするので、ずっと違和感を感じていました。
この本では、契約としての明確さもそうですが、どうすれば当事者同士が誤解なく同じイメージを持てるかということが、繰り返し書かれています。比較検討が前提なので、良し悪しを判断するためのものさしを用意するというお話は参考になりました。
要は、RFPってお買い物リストってことですね。カレーにするから4人分で肉がXXグラム必要で、BSEが気になるからポークにして…この店は安いけど、そっちの方は野菜もセールなのよね、みたいな。
献立を決めずに材料だけ羅列する主婦はいないし、お店の人に任せっきりで何でも買います、なんてあり得ないですね。RFPはプロが書くものだ、なんて言ってるITコンサルタントとかって、何考えてるんだって話ですよね。
そういう意味で、この本では仕様をいかに伝えるかという部分よりもむしろ、契約時のトラブルをどうやって少なくするかという部分についてスポットを当てているような印象で、それに関する記述がいたるところにちりばめられています。
日本ではその商習慣ゆえRFP自体はまだまだ軽く扱われているようですが、いずれここに書かれているようなRFPが必要になる日が来るのかもしれません。
RFPを扱った類書は他にないため情報システムに携わる方は読んでおいて損はないかも知れません。