『ヤング・ブラック・スタリオン』は、ウォルター & スティーヴン・ファーリーの父子チームによる小説を基に、アイマックス映画として制作された作品。アラビアの砂漠で野生の仔馬が幼い少女と出会い、やがて心の友に、そしてレースの優勝馬になっていくというストーリーだ。
   舞台は1946年の北アフリカ。兵士たちの襲撃によって、少女ニーラが砂漠のキャラバン隊からはぐれてしまうところから物語は始まる。独りぼっちになったニーラが放浪の中で見つけたのは、一匹の牡馬。いつしか彼らは友だちになり、互いを必要とするようになる。元気のいい馬と少女は風のように駆け回るが、家にたどり着くと、牡馬は姿を消す。残されたニーラは、伝説の牡馬は実在したと祖父に訴える。そして、クライマックスを飾るガール・パワー爆発のアクション・シークエンス。ニーラは自説が正しかったことを証明する。
   ラージ・フォーマットを意識したビジュアル、広大なパノラマなど、撮影が圧倒的。しかし、50分間という時間上の制限のためにストーリーの枝葉が切り捨てられ、まるでダイジェスト版を見ているような印象だ。あと1時間費やしてプロットと登場人物を膨らませていれば、原作の素晴らしさに肉迫していたところなのだけれど。（対象年齢8歳以上）（Lynn Gibson, Amazon.com）