子どもはみな、親の愛がどれほど大きく深いものであるかを確かめたがるものだ。『Guess How Much I Love You』(邦題:『どんなにきみがすきだかあててごらん』)に登場する「小さな茶色い野ウサギ」は、愛情の大きさを測る方法を見つけた気になっている。「ぼくは、きみが、ぼくよりもうまく、やれることを、でもぜんぶ、やれるよ!」の主旋律から変奏曲をつむぎだすように、「小さな茶色い野ウサギ」は、自分がどれだけ「大きな茶色い野ウサギ」のことを好きか、繰り返し宣言する。しかし、あるときは両手をいっぱいに広げ、またあるときは思いきり高く飛び跳ねて、なんとか自分の愛情の大きさを示してみても、大きな野ウサギが優しく示してくれるもっと大きな愛にはかなわない。
アニタ・ジェラームの絵は、どんなに手厳しい読者にも「おおっ」と思わず声を上げさせる。愛情に満たされたウサギたちは生き生きと魅力たっぷりで、いくら見ていても飽きない。サム・マクブラットニィのテキストは、ユーモアと鋭い観察力で、温かい家族の愛をシンプルなベッドタイム・ストーリーに仕立てており、最後には幸せな感動を与えてくれる。子どもも親も、開いたこの本のページに、夢中でおでこをくっつけ合って座るようになるはずだ。明かりを消す前のひとときに、何度も何度も読み返したくなる本だ。