明治のころの人は，語彙力をつけるのに，辞典を最初から順番に覚えて，そのページを食べたという話があります。食べたかどうか本当かどうかわかりませんが，現代でも，語彙力が高い人の学習法を聞いてみると，辞書を単語本のようにして覚えたという人は多いです。逆に，辞書通読学習法以外で，英語語彙を２万語を超えていると言い切っる人は少ないです。
　辞書を単語本のようにして，勉強して行くのに，どの辞書がいいか各種検討した結果，このWordWiseが一番であると判断しました。
-語彙量が適当:市販の単語本をやった次としていいです。大型の英英辞典のように10万語彙クラスだと量が多すぎで全て読むのが大変です。
-学習者向け：定義が非ネイティブを想定した学習者向け。分かりやすい。
-英語脳核語彙形成向き：定義に使われている語彙が，2000語に限定されており，この訓練をするとそれが英語脳の核語彙となりやすい。目標語彙設定：話して書ける語彙2000語，聴いて読める語彙40000語という目標が設定しやすいです。
　これと同じ辞書の，洋書扱い(直輸入)があります。Longman Wordwise Dictionary (Longman Wordwise Dictionary)です。値段はレートで変動します。和書扱いの方は，箱入りで，日本語の小冊子がついています。差額分で小冊子を購入したと思えば，和書扱いの方がいいかと思います。
　具体的な４万語彙突破訓練の方法については，ウェブで検索してください。

書店でいくつかの英英辞典を手にとって見ましたが、字が細かすぎて視力が弱い私にはかなり読みづらいものがありました。
その中で本書は文字がすべてゴシック体?で読みやすいだけでなく、重要語句見出しが赤、それ以外の見出しは青、説明文は黒で色分けされ、シソーラスなどの説明ポイントは背景が青で着色されるなど、文字の読みやすさは群を抜いていました。
説明が長くなる重要語句は1ページの中央に見出し語を配置し、その周辺に意味ごとに分けた箱を放射状に配置しています。つまり、余白がたくさんあるので一覧性に優れ、1,2,3・・・と延々と続く説明を読む必要がありません。

レベルとしては、中学生には難しいけれどもセンター試験にはちょっと足らない、というところでしょうか。熟語が少ないように感じます。
むしろ、忘れかけている受験英語をネイティブ系の英語に作り直そうという方のスタート地点としてよいと思います。
私の使い方ですけど。

欠点としては、説明文が甘いこと。シソーラスはほとんどイコール(＝)で結んでいるので、それは類語情報ではなく同義語情報では?、などとツッコミたくなります。
写真やイラストも、もう少し効果的に使えると思います。ただし、カラー印刷の効果は、文字の印刷だけで十分すぎるほど出ています(3色刷りとして)。

何より腹が立ったのは、付属のCD-ROMがひどすぎること。
起動が遅い。文字を最大にしても見づらい(怒)。ジャンプ機能がない。練習問題の解説がなく、ゲームは幼児向け、など。

本体の内容は初心者用英英辞典として満足できるものなので、CD-ROMなし版があれば、そちらを購入したほうがよいと思います。

全ページフルカラー、ペーパーバック製本から上製本へ、CD-ROMつきのみとなったワードワイズ。
さし絵も写真メインとなりました。

旧版との個人的な比較・評価をご紹介したいと思います
・判型は変わらないませんが、厚みが増し、全体的に文字が小さく（LDOCEv2と同じ）なりました。
　濃紺・黒の二色刷から水色/ピンク/濃灰＋フルカラー写真となりました。
　私はワードワイズを「読み物」として扱っているのですが、余分な視覚情報が増えた気がします。
・収録語句数は旧版とほぼ変化ありません（解説も主要語を見る限り変化無し）。
・重要語句にかんする見開きのシソーラス解説は旧版と同等です。
・個人的趣味ですが、フルカラー・色分解の荒いイラストよりは、旧版のペン画によるさし絵の方が
　語句のシチュエーションと意味合いを忠実に表現していた様に思います。
・付属CD-ROMはWindowsのみの対応（XP・Vista、Vistaは管理者権限が必要）です。
　LDOCEv2と同等の辞書フォーマットとプロテクトが施されており、実質Windowsユーザーしか使えません。

英英入門・初級辞書としての優秀さは健在ですが、「読み物（長風呂や通勤時間中の友）」としては
若干使いづらくなった印象が残ります。

LDOCEv2