タイムマシンものの金字塔。小説「タイム・マシン」の作者、H・G・ウェルズが、実は本当にタイムマシンを作り上げていて、これを猟奇連続殺人犯“切り裂きジャック”が盗み、現代のサンフランシスコに降り立つという、奇想天外なアイデアのSFアドベンチャー。主演は『時計仕掛けのオレンジ』のマルコム・マクダウェル。
   切り裂きジャックは稀代の連続殺人犯でありながら、犯人の特定も逮捕もされなかった。これを同時代に小説「タイム・マシン」を発表したウェルズと結びつけたアイデアが秀逸！
   現代でも犯行を重ねるジャック（デイヴィッド・ワーナー）、ジャックを追って現代にやってきたウェルズ（マルコム・マクダウェル）がカルチャーギャップに戸惑ったり、現代の女性と恋に落ちるなど、SF的な要素だけでなくスリルとサスペンス、ラブロマンスも絡めたドキドキハラハラの傑作だ。（茂木直美）