前半は本題に入るための前提部分ですので、何となくイメージをつかんでおけばOKです。
この本の神髄は後半に書かれていて、以下のようなことを仰っているのだと思います。
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脳は、自らアルゴリズム(コンピュータでいうプログラム・ソフトウェアにあたる)を獲得する開かれたシステムであり、いままで出来なかったこともどんどん学習してできるようになる。
では、脳は単なる「自己学習機能付きコンピュータ」かというと、決してそうではない。そこには決定的な違いがある。
脳は、情報を処理するにあたり、常にある価値に照らして、その価値に適合するかどうかの判断もしている。そしてその価値に適合する場合に、脳は最大の能力を発揮し、人間は潜在能力を現して大いに成長する。(病人の場合、著しく回復する。)
そしてその価値こそが「愛」である。
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以前、親の愛にふれた子供ほど学校の成績が高い傾向にあると聞いたことがありますが、それが何故かが良く分かります。脳は常に愛を参照しながら情報を処理するのであり、「愛」は、脳が持てる力を最大限発揮するためのキー(鍵)なのです。
科学の本でありながら、人間や生物に対する慈悲をも感じます。是非、これから子供を持つ方や、小さい子をお持ちの方に繰り返し読んで頂きたいです。
なお、筆者は2003年3月にご逝去されたとのことです。
先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。