ニライカナイ…それは、沖縄地域で古くから伝わる「海の彼方にある理想郷」信仰。 そんなタイトルのつけられたこの写真集は、沖縄で撮影された斉藤工さんの魅力溢れる写真と、工さんが描かれたイラスト、そして工さんの英文詩で構成されています(英文詩じゃわからないかもという不安がありましたが、和訳付きで安心しました)。 前作「No Border」と比べると、工さんの存在感が圧倒的に増しているように感じました。前作ももちろん良いのですが、荘厳な滝でのワイルドかつ繊細な写真や、青く澄んだ海での真摯な眼差し、路地裏にとけこむナチュラルな姿、青空のもとでの穏やかな表情などなど、前作ではみられなかった工さんの新しい魅力に触れられる内容だと思います。写真を観て、工さんの詩を読み、ゆっくりとページをめくっていると、自分の心までシンクロしてほどけていくような不思議な感覚になりました。 工さんと共に、ニライカナイを探す旅に出たくなったら…そっとこの本を開いてみてください。おすすめ致します。