着物には無知ですが、面白く読めました。
着物と著者の人生のあれこれとを絡めたエッセイは、易しくてリズムが良いせいかスイスイ読めてしまう。しかもその文章は美しい。
著者がデザインした多数の着物等、写真も豊富。著者が昔発行していた雑誌のモデルに若かりし頃の岸恵子や北原三重などの女優の写真が
使われていたりするのも興味深い。着物好きではあるが、決して華美なものを好むわけでなく、普段着とされているウールの着物を将来は社交着にまで高めたいとの旨が書かれてあり、その現代的な思考と先見の明には驚きます。呉服屋さんにこそ読んでもらいたいかも。