内容は一階命題論理、一階述語論理、モデル論の初歩、不完全性定理、二階述
語論理となっています。個人的に感銘を受けたのは述語論理のモデルと真理定義
の扱い、完全性定理、超準解析(最高!)、二階論理でした。
二階論理などはよい入門書が少ないこともあり、この本の取り扱いは貴重です。
ちょっと不満な点は、証明論に関して貧弱であることで、証明体系についてはほ
とんど学べません。そのことが一方で健全性や完全性の証明を容易にしているの
ですが、この点はモデル論を重視するアメリカの論理学教育の一端が見えるかな、
といったところです。
論理学を始めたごく最初の頃に読むのは、上級者の手助けがないときついでしょ
う。しかし、この本は初等論理学を学ぶ上での一つの到達点と言えると思います。
折に触れて読み返し、参考に出来る信頼の置ける本です。