正直な感想をいうと、ボサノヴァは一般的にいう歌が上手い人が唄ってもあまり合わないと思う。淡々とした雰囲気の声の方が合う。故意に起伏を減らしたジョアン・ジルベルトの歌唱がボサノヴァそのものなんだと。それは置いておいて、やっぱりクラウス・オガーマンの編曲が気持ちいい。後半はデオダートが編曲をしていますが、少しオガーマンぽくてこちらも良い。CTIの『WAVE』にヴォーカルが入った感じの仕上がりといえばイメージが湧くと思う。

シナトラ+ジョビンのコラボレーション。ジョビンがギターをシナトラがヴォーカルを担当しています。
シナトラの歌はもちろん英語。本家ポルトガル語のリズム感と違うのですが、翻訳の良さ?そして、何よりシナトラの歯切れのよいリズム感で独特の「英語ボッサ」のいい雰囲気を醸し出しています。
ボサノヴァはポルトガル語でなきゃという人も一聴の価値があります。また、シナトラですから、大人の渋さがあり、最高の大人向けポピュラー音楽に仕上がっています。シナトラファンにもおすすめです。