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Songs for Young Lovers & Swings Easy

価格: ¥1,138
カテゴリ: CD
ブランド: EMI Europe Generic
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   20世紀を代表するアメリカの歌手をひとり選べといわれたら、迷わずフランク・シナトラの名をあげる。スタンダード・ヴォーカルという言葉があるけれど、それは言い換えるとシナトラの歌声を意味している。今日われわれがスタンダードとして知っている曲の大半は、シナトラの歌い方が基準(スタンダード)になっているのだ。
   本作は1953年から始まるシナトラのキャピトルにおける初期の10インチLP2枚、「ソングス・フォー・ヤング・ラヴァーズ」と「スイング・イージー」をカップリングしたきわめつけの作品。前者はバラード中心、後者はスインギーなアルバムなので、それらをセットにした本作ではシナトラの静と動、両面を堪能できる。この時代にシナトラは、アイドル歌手から大人の歌手へと脱皮した。ジャズ・センスあふれるフレージングの妙、抜群のリズム感、バラードにみせる細やかな感情表現、どれをとっても、これぞスタンダード・ヴォーカルのお手本といえる見事な歌いっぷりだ。ネルソン・リドルの洒脱なアレンジも素晴らしい。(市川正二)
歌の本質 ★★★★★
キャピトル時代のシナトラは、まさしく「歌の本質」に迫っている。コロンビア時代も悪くはないのだが、このキャピトルでの2回目のセッションである『Songs For Young Lovers』を聴くとコロンビア時代は口先だけで歌っているように受けとれてしまう。シナトラ本人の力だけでなく、アレンジャーのネルソン・リドルの功績が大なのか?@の大スタンダードはまさにシナトラ流に見事歌い上げている。Aの0分54秒から1分05秒の間、一気に歌いまくるなんてやはりシナトラ。(さりげなく歌っていると途中ブレスしてしまう)当時38歳だが、この歌唱を中卒でショービジネスに入り独学でここまでくるんだからたいしたもんだ。
ダンディと男らしさが同義語であった時代のジャズボーカル ★★★★★
フランク・シナトラの歌声は古きよき時代のアメリカを髣髴とさせる。そう、アメリカン・ドリームという言葉が生きていた疲弊する前の元気で夢のある時代である。どこまでも男らしく、優しく語り掛けるシナトラの歌声はダンディズムの極致であり、ジャズがスタンダードとして定着していく過程を捉えている。Just One of Those Things、All of Meといったスタンダードが後の多くの歌手に歌い続けられても、やっぱりシナトラのそれがオリジナルなものに聴こえてしまう。Like Someone in Love、I Get a Kick Out of Youといった明るい愛の歌もMy Funny Valentineのような切ないバラードもシナトラ流ラブソングとして料理されるのである。16曲もの素晴らしいスタンダード曲が楽しめる、まさにフランク・シナトラの決定版といっていいアルバムである。
最高の組み合わせ ★★★★★
歌手は表面的な人気だけでなく、聞き手に真の実力を伝え長く生きるには、その歌手に合った曲を選び声に合う編曲をしバンドメンを揃えることが求められる。このシナトラとプロデューサーのVoyle Gilmoreとネルソン・リドルの組み合わせは、まさにこの最高の組み合わせといえる。フルバンドでなく人数を抑えギター・ヴァイブなど音量を抑えた楽器編成でシナトラもリラックスして声量をフルに出さず心地よく歌っている。ハートウォームなキャピトル時代を通じてもベストの録音ではないだろうか。何度聴いても聞き惚れてしまう。