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ベル・ジャー (Modern&Classic)

価格: ¥2,517
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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ナイーヴ ★★★★☆
自己中心的で、傲慢で、尊大で…
それでも、主人公の繊細な感受性と、鋭敏な描写は、読み手を惹きつける。
特に、十代後半、二十代で読むと、共感できる部分があるのではないか。
極度に外部世界や他人を取り入れてしまい、バランスを保つのが困難になる、というようなことが、程度の差はあれ、若い頃に起こるのは、ありがちなことである。
プラスは、この自伝的な作品で、彼女は母親に対してかなり辛辣な眼差しを向けているが、実際に母親の前では、「良い子」でいようとするという別の一面もあった。併せて伝記を読んでも面白い。

それにしても、「少女版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』」という帯の文句には違和感を覚える。まるで、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が「本編」で、『ベル・ジャー』はその模倣か何かのようではないか。サリンジャーと比較するのも面白いかもしれないが、まずは『ベル・ジャー』は「プラスの作品」として読むべきではないだろうか。
硝子の覆いの中で。 ★★★★☆
はじめにこれがシルヴィア・プラスの自伝的小説だという予備知識がなければ、私はこの本を読み流していただろう。

少女版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』として世界中の若者たちに読み継がれている永遠のベストセラー
などというオビの文句に、「大げさじゃないの」と感じたからだ。

少女期の挫折や無力感、結婚してそれまでの自分の人生すべてを否定された経験、出産・育児に明け暮れる日々に、焦りを感じていた頃…。
それらを乗り越えていまの自分がある(中には超えられずに知らぬふりをしている事柄もあるが)!
と自負している私の目には、最初は主人公の姿が、ただ努力もせずに甘えているとしか映らなかったのだ。

しかし、何度も読み返したいまなら、エスターの苦悩が理解できる。
強すぎる感受性は、矛盾した嘘だらけの社会で生きてゆくことを拒否したのだ。
そんな彼女に共感し、受け止めてあげようとするひとも、いなかったのだ。

作家としてではなく、人間としてのプラスをもっと知りたいと思う。

女性であり、ふたりの子を持つ母である私には、彼女の死の理由だけは、おそらく理解できないのだろうが。