この本について
★★★★★
この本はL.Bachmanによる言語テストの本であり、この分野においては古典的な一冊と言えるかもしれません。この本では言語テストに関する基本概念が懇切丁寧に概説してあります。また、言語テストを専門としない人であっても、第4章は一読の価値があると思います。というのは、第4章はコミュニカティブな言語能力について論じているからです。英語教育においてはこの能力を学習者にいかに身につけさせるかがその一つの目的なわけですから、授業を行う際の一つの目安としても役立つかもしれません(ちなみにこの第4章は有名で、よく引用されています)。この第4章以外はなかなか専門的で、スラスラとはなかなか読めませんが、言語テストの領域が扱う諸問題を概観することができると思います。テスト方法、信頼性、妥当化の問題などが扱われています(多分これらの章が一番難しいでしょう)。少し専門的な入門書といった感じです。