もちろん、ミステリーとしてその犯人が誰なのかを追う楽しさもあるのですが、この第二巻(中)では登場人物たちが自殺したはずの犯人を思い出す過程で、現代の中高生が抱える共通の問題-大人にとっては些細な問題かも知れないが、彼らに取っては深刻な問題-が深く掘り下げられてゆきます。
学園もののミステリーと思って気軽に読んでいたのですが、テーマの深さと、八人の高校生が真剣に生きる姿に引きずり込まれている自分に気が付きました。尋常なミステリーではありません。いや、もちろん彼らが閉じ込められた冷たい校舎は尋常ではないのですが、そう言う意味ではなくて。