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美しき半流国電―40・51系電車 (RM LIBRARY(60))

価格: ¥1,080
カテゴリ: 単行本
ブランド: ネコ・パブリッシング
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戦前型国電デザインの完成と忍び寄る戦争の足音 ★★★★★
 戦前型国電の標準型とも言える40系、51系の解説書。題名にもあるとおり、半流線形国電のデザイン進化を中心に据えている。
 戦前の国電の歴史は、木造電車そのままのデザインの17mダブルルーフの半鋼製電車の登場から20m級シングルルーフへ進化。ここまでは機能的正常進化と言えるが、デザインとしては決して洗練されたものではない角張った形であった。
 昭和初期、世界の列強が自国の国力を見せつけるため、重工業品である鉄道車両を競って先進的な流線形としてデビューさせるブームが起こった。この世界的ブームに乗って(乗せられて?)日本で登場したのが流線形機関車や流線形気動車であり、また電車では流電であった。いずれも増備が途中で中断されたり、流線形カバーが外されたりしたことから、その形状に技術的必然性があったとは思えないが、後々の鉄道車両にデザイン的影響を与えたのは確かである。このとんがった流線形デザイン指向と実用性一点ばりの角型国電の機能が、次第に融合されていく進化過程を同じ電車増備のなかで忠実に表現していたのが本書のテーマである40系・51系電車であった。製造年次ごとにデザインを日本的に洗練させ、和風流線形の完成形とも言える半流線形国電のデザインを確立していった。しかし昭和15年頃をピークに戦時体制の影響で資材節約、工程省略の掛け声の前に増備のつどデザイン的には後退していき、ついには同系は製造打切りとなり、その後の増備は後に桜木町事故で有名になる戦時型電車63型に移行する。
 本書はこれら半流国電の誕生からデザイン進化、製造打切り、戦後の更新修繕されてからの活躍などを製造年代ごとに解説する。なお、戦後の活躍といっても昭和30年頃までを対象としており、後の飯田線や身延線などでの活躍は本書の対象外である。この時代を知りたいのであれば間違えて購入しないように注意が必要だ。