辛口で、中途半端
★★☆☆☆
中途半端といっても、もちろんある程度はしっかりした内容。
アダムスミスから、資本主義、金融資本主義に進む中で、「証券化」がバブルを生みだす構造を著者なりに示している。
後半は、リーマンショックの闘病日誌。
リーマンショックと言っても、リーマンが潰れた以外はいったい何があったのかを知るにはちょうどよいかと思われる。
結論としてこの本を読んでなにが得らるのか。
入門書でもなければ、専門書でもない。そういう意味で中途半端。
投資家からみたバブルとは何なのか?
★★★★★
個人的にはかなりの良書だと思っています。「日本の金融企業はサブプライムローンの本質に気づき、手をださなかったのは偉い!」という意見をもっている方はぜひ読まれることをオススメします。一流の投資家はそこにある証券の本質的価値などお見通しで、にも関わらず、自己利益を最大化するために手をださなければいけないのだということがかかれています。とにかく儲けることができればなんだっていいというのが資本主義なのだ、というのが著者の主張です。
資本主義が一体どこに向かうのかまでは考察されていないのは残念でしたが、投資や経済というものを考え直すのにいい本だということになると思います。
感想
★★★★☆
まだ、全部読了していませんが、「資本主義の本質はネズミ講である」といった、つかみのところの思い切った表現は、斬新かつショッキングでした。どこかの国では言ったり書いたりできないようなことを表現できることの有難さを痛感致しました。
図表などの見せる工夫が欲しい
★★☆☆☆
私は有料の株式情報も購読していますが、きちんと図表も駆使して
見せる工夫がなされており、また長い期間の歴史と株価の推移や配当
率なども併せてうまく説明していました。
それと本書を比べると、正直いまひとつです。単に文書を書くだけ
ではなく、もう少し見せ方の工夫があってもよかったかと思います。
できれば、改訂版でリベンジして欲しいところです。
P142とP172で図表は使っていますが、期間があまりにも短いと思い
ます。また、筆者は「個人投資家として積極的に投資し続ける行動派
経済学者」との事ですが、ここ最近の投資行動と成績はいかがだった
のでしょう。それがオープンになれば、もう少し評価の星の数にも
変動があるかも知れません。
基本的な事項の理解がない
★☆☆☆☆
「リスクテイクバブル」という概念は興味深いものでしたが、
筆者は金融実務に対する基本的な理解が欠如しており、内容は評価できませんでした。
証券化商品は証券化したからといっても流動性リスクは無視できませんし、AAA格の証券化商品を購入した投資家はたとえ原資産がサブプライムだとしても、ハイリスク投資をしたとの認識はありません。サブプライム自体も数ある投資対象の中ではハイリスクとは言い難いですね。
筆者の提唱する「構造的な問題から生じる21世紀型バブル」については、なんというか・・・。こういった金融の構造的な問題でバブルが発生したのはLTCMでも実証済みですし、概念としては新しくないと思います。
全体的に実務を知らない方が書いた本であって、本書でバブルを理解するのは難しいと思います。