消費者行動論の棚卸
★★★★★
まさに、これまでの消費者行動論を棚卸したような一冊でした。
消費者行動論という学問において、現時点で、何が、どこまで明らかになっているのか鳥瞰できる内容だと思います。
大学時代のマーケティングの教科書で出来てきた、著名な消費者行動モデルの紹介や、その原型になった考え方。そして近年の研究で、更に明らかになった視点などが紹介してあり、新たな視点でモデルを見れるようになりました。
2006年度の海外研究なども積極的に引用されている点や、新しい視点としてのニューロマーケティングまでも紹介している点は、これまでの消費者行動論の書籍と異なるところかもしれません。
最終章では、これまでレビューしてきた内容と、今後のマーケティングをどう繋げていくかという視点でまとめられおり、単なるモデル紹介本との違いも感じました。
本の作りに関しては、キーワードやまとめが太字で表記されており、難解な概念解説が続く部分では、身近な事例を用いて解説するなどの工夫がされています。
このあたりは、実務経験も長く積んでいる著者ならではの配慮だろうと思います。
数年前の修士論文を書き上げる前に、是非読んでおきたい一冊でした。(笑)