No, David! (Caldecott Honor Book)
価格: ¥2,203
ものを壊すいたずらっ子のお話などおもしろいものか――親ならすぐに、そう結論づけてしまうだろう。確かに、イガグリ頭におおちゃくそうな目、意地の悪そうな笑みを浮かべたデイビッドの姿は――大人の視点から見ると――かなり戸惑うものがある。しかし、3、4歳の子どもはものの見方が異なるようだ。彼らにとっては、容赦(ようしゃ)のないデイビッドのいたずらは実にゆかいで、まさに日ごろのうっぷんを晴らしてくれるものらしい。
デイビッドがクッキーの入ったビンに手を伸ばそうとすると、どこからともなく聞こえてくるママの声――「だめよ、デイビッド!」。お風呂場からベタベタのまま出てきても、「だめ! だめ! だめ!」の声。裸のまま外に飛び出せば、「戻ってらっしゃい、デイビッド!」見開き2ページをたっぷり使ったイラストは、デイビッドのいたずらとむなしく響くママの叫び声だけ。
主人公の名前と著者の名前が同じなのは、もちろん偶然などではない。主人公のデイビッドは、本書でコールデコットオナー賞を受賞した著者のデイビッド・シャノンが5歳のときに書いた自画像がもとになっている。まさに、5歳当時のデイビッド・シャノンがそこにいるといっても過言ではない。(3~6歳児向け)(Richard Farr, Amazon.com)