クラシックシェルダンの良作
★★★★☆
彼の作品の感心すべき点は
映画やドラマではダルイだけでしかない回想シーンさえも
読者の探究心をくすぐるような構成でテンポよく先へ先へと読ませる点です。
今作もそれが遺憾なく発揮されて終始楽しめました。
やはりシェルダンに資産家の話を書かせると右に出る人はいませんね。
70年代の作品ながら古臭さもさほど感じませんでした。
みな影の部分を持った登場人物の中からいったい誰が犯人になるのかと
推理を巡らせながら読むとさらに楽しくなります。
同年代の他作品に比べるとこれでも幾分落ちる方ですが、それでも最後のページまで
楽しめました。
広告の割りにはお粗末な内容
★☆☆☆☆
本作が出版されるにあたって、大量の電車中吊り広告が、大げさな宣伝文句を書き立てた。読まなきゃ損する様な雰囲気。ええ、買いましたとも。
読み終わって「何だこれは!最低だ!」と思い、後日再び読み直し、やはり同じ評価。(数年後もやはり同じ評価。売り払いました)
上巻で登場人物をくどくど説明(全員がお金に困っているという安易な設定もひどい)したわりには、下巻での結末がドタバタで、犯人の犯行に及んだ気持ちも全然納得出来なかった。
「あの問題はどうなったのか?」という未解決の問題も多いまま。じっくり時間をかけて書き上げた作品とは程遠い。
だいたい、引っ込み思案で花嫁学校程度の学歴しか持っていない若いエリザベスが、たった3年間父親の元に居ただけで、世界でトップクラスの大企業の社長業が出来るのか?
遅れてくる主人公、それ次第
★★☆☆☆
読後の満足感は主人公への感情移入度にかなり左右されることと思います。幾度も暗殺未遂に逢うなど、主役周りははスリリング、更にロマンスや一族愛という背骨もあり盛り沢山です。
その反面、血族や、事件の容疑者候補として登場した重役軍団にまっとうな出番が少なかったのが辛かった。終始「金が必要」という共通の動機の上を堂々巡っていて、逆に印象が薄れていきました。あれだけのページを割いて登場したのだから、もっと不審な言動だとか、容疑者同士で絡み合うだとか、一歩先に進んだ怪しさを楽しみたかったです。
面白い
★★★★★
シドニー・シェルダン好きにはたまらない、ストーリー展開。
上巻は登場人物の説明でほぼ埋まっている。
でもただの紹介じゃなく、これも彼の独特な書き方で
人物紹介なのに、すでにドキドキ、はらはらさせられる。
下巻はサスペンス要素がかなり入ってきて、
またこれも面白い。
購入時はぜひ上下巻同時に購入することをお勧め。
面白かった!!!
★★★★☆
大企業社長が登山中の事故で亡くなり、
それは事件なのか事故なのか???ということから始まり、
容疑者は”血族”のなかにいる・・・という面白い設定です。
上巻はまだまだ序章といった感じですが、
登場人物それぞれの描写がうまく、それぞれに動機があり、
怪しいのは誰なんだと考えて予想を裏切られ・・の連続で非常に面白い。
下巻も、流れるように物語が進んでいき、
誰が犯人なのか本当に分からなくなる。
警察でさえ怪しく思えてくるから不思議だ。
ただ少々終わり方が尻すぼみな感じがしたのはがっかりでした;
もう少し事件の真相とやらは詳しく書いてほしかった。
読み終わった後にもう一度読もうと思う点では良いのかもしれないけど…
しかし読者としては読んでてとても面白い本でした!
気楽に読める点でもすごく良かった。
ちなみになぜか私の中でのリーズ・ウィリアムス像はオーランド・ブルームでした(笑)