古典ギリシャ語学習者にとっての定評ある基本書。

ここで紹介する"Greek Greek"は著者が死亡した後、
"A Greek Grammar for Colleges"(1920)の版権を遺族から譲り受けた
ハーバード大学が内容を補った改訂版"Greek Grammar"(1956)です。全体は3048節chapterに分
かれています。
Perseusのデジタル版は改訂前の本です：
http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus%3Atext%3A1999.04.0007&redirect=true
節の番号はどちらの本も同じなので、私は本で該当する節番号を確かめてから、
デジタル版をクリックしています。
大きさは21.5x14.5x5.5cmで携帯電話を買った時の箱にちょうど入るので、外出時にも
持って歩いています。
インターネット時代に入ってギリシャ語学習も様変わりしましたが、私はこの本を
常にパソコンのそばに置いて学習に励んでいます。

田中・松平『ギリシア語入門』のようないわゆる漸進的な教科書ではなく、初等文法を修め実際に原典を読み始める学生が、より実際的で詳細な用法を参照するための組織的な解説書です。通読するものではなく、用法辞典として使うものと思って下さい。豊富な項目や文例そして簡素明晰な文章は信頼できますし、また、比較的新しい註釈付原典では、特定の文法事項を説明するのに本書の項目を直接指定していることもありますので、その意味でも初学者-中級者必携だと思います。
Indexが充実していないとのレヴュアーの指摘がありますが、Index自体は存在します。見出し語と代表的な活用形をリストアップした”List of Verbs”、文法事項をリストアップした”English Index”、例文から用法を検索できる”Greek Index”の三種で、個人的には、情報も豊富で使い勝手も悪くないと思います。三大悲劇詩人やプラトンの作品を読む程度ならLiddell & ScottのIntermediateの文例で補えますから、本書とこの学生辞書を持っていれば、研究室や図書館まで行ってLSJやその他の詳細な注釈書を繙くなどといった手間も、あくまで姑息的にではありますが、省けます。

教養課程-３年次くらいの学部生にとっては、邦文で書かれたものも必要かも知れません。個人的には高津春繁著『ギリシア語文法』が、語源から説き起こしてあって文例も豊富でお奨めなのですが、現在絶版状態で古書店でも入手が困難です。大学図書館などに置いてあることが多いので、必要に応じて適宜参照されるとよいでしょう。

体系的かつ合理的に古典ギリシア語文法を説明した名著です。
日本語で説明するとどうしてもわかりずらいところが、
あっさり頭に入ってくることもあります。
難解なparticlesも的確に用例と訳語を示してありますので、
基本的な用法をまずは暗記しなければならない初学者にとって、
きっと心強いことでしょう。

もちろん、上級者なっても使うことになると思います。

他言語で書かれた文法書を使うのは本書が初めてだったので、
使いこなせるようになるまでに時間がかかりました。
すなわち、最初は文法用語がわからず、英和辞典と併用したのですが、
慣れればそう大した問題ではないでしょう。
用例のindexがついてないのが不便ですが、

とにかく目次や索引などを駆使してひきまくりましょう。