子供に聴覚障害があるとわかったら最初に読むべき一冊
★★★★★
オーソドックスな立場から冷静に聴覚障害児教育の具体的方法を論じた一冊。
聴覚障害とは何か、どのような教育方法があるか、具体的実践はどうか、非常によくまとめられている。特に保護者を含めて聴覚障害児の周囲の人間が誤りやすい点を具体的にあげ、単に言語だけではない観点から健全な発達を促している。さらには、兄弟姉妹への接し方にも目配りされている。末尾の「障害の「受容と克服」そして「認識」へ」という一文も、研究者の良心が伝わってくる内容である。
「大学教授・助教授」の肩書きを持つ人からの情報を含め、少しどうかと思われるような情報が氾濫する中で、我が子が聴覚障害児であると判明した健聴者の親に、まず最初に一読することをお勧めしたい一冊。専門的な部分は最初は読み飛ばしてもかまわないので。