ヒラリーハーン若き日の金字塔
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メロディーが口ずさめるような曲で無いと、日本ではメジャーになりにくいのかもしれないが、もっと知名度が上がっても良いと思える名曲である。そしてヒラリーハーンは、この曲の美質を良く伝えている。3楽章のカデンツァなど難しいパッセージでも、音がうまく「あたる」ので、聴いていて気持ちが良いのである。それは単にテクニックだけではない音楽性の高さの現れであり、24歳で示した「円熟」というものの一つの形であろう。将来にわたっても、若き日の金字塔となることは間違い無いと思われる。直輸入の国内発売版を買った方は、ヒラリー自身のライナーノーツを読まれる事をお薦めする。この曲や、音楽そのものに対する洞察の深さに、私など恥かしくてレビューなど書けなくなるが(笑)。しかし国内版は何故こうも高いのか。ライナーノーツと解説の翻訳だけで1,000円も上乗せされるとは。