1969年のデビュー以来、常に進化しつづけている「プログレ」の雄、キング・クリムゾン。ユニバーサル移籍第1弾となる本作は、バンドのブレイン、ロバート・フリップ自ら、90年代以降の彼らが掲げる「ヌーヴォー・メタル」というコンセプトが完成したと認める自信作。昨年の夏、クリムゾン・チルドンレンとも言えるTOOLとツアーを展開するなかで、ロバート・フリップは自らの方向性に大いに確信を得たのだろう。「メタル」と呼ぶにふさわしい硬質のサウンドとエキゾチックなメロディーが絶妙にからみあい、ドラマチックに展開している。(山口智男)
コンセプトはヌゥオヴォ・メタル
★★★★☆
キング・クリムゾンの2003年作
ロバート・フリップのかがげる“ヌゥオヴォ・メタル”というコンセプトによって作られた本作は、
「the construKtion of light」から続くメンバーによって、より熟成されたメタル・クリムゾンを聴かせる。
インダストリアルな無機質さを加えたリズムは、ずっしりとしてヘヴィで重く、
そこに乗るギターサウンドもいつになくハードで、楽曲に硬質な緊張感をもたらしている。
一方では、薄暗い叙情をともなったヴォーカルナンバーは、モダンな雰囲気で
先端をゆくロックバンドとして、常に時代の変化とともにあることを感じさせる。
奥行きのあるサウンドプロダクションも見事で、前作よりも統一感のある作品に仕上げている。
やはり、凄い。
★★★★☆
世間的には、地味な扱いを受けているが、良作だと思う。
最初聴いたとき、何故か恐怖感に捕らわれた。
なんでだろう・・・?複雑怪奇な展開と、冷たいサウンド・イメージによるものだろうか?
もう、すっかり馴染んだエイドリアン・ブリューのヴォーカルも良い。
ヴォーカリストとしてもレヴェル・アップしたのは、聴けば分かるはず。
前作が受け付けづらかったが、これは、気に入りましたね。
まだ持ってなければ、購入してこのバンドの底力を体験してみてください。
ヌーヴォー メタル
★★★★★
割と賛否両論ある作品ですが。個人的には凄く良いと思います。
かつてのクリムゾンのように最先端のサウンドではありません
が、へヴィーで聴きやすくなによりドラムが良いです。
スラック路線が好きな人は聴ける作品だと思うのですが...
この先クリムゾンがどのような変化を遂げていくのか楽しみでなりません。
ヌゥオヴォメタル恐るべし!
★★★★★
ロバートフリップ、エイドリアンブリュー、トレイガン、パットマステロットからなるKClineup6による2003年発表のフルアルバムです。今回、フリップが掲げたテーマは、ヌゥオヴォメタル。当初は、ダブルトリオみたいに、イメージ先行型かと思いましたが、なかなかどうして、刺激的なサウンドに仕上がっています。言葉でいえば、攻撃的なメタルに、中近東・ヨーロッパあたりのミステリアスさをブレンドしたサウンドといえばいいでしょうか。KCの中では、やはりlineup3が一番好きという方にもお奨めできるテンションの高さに、現代音楽の要素を合わせ持ったアルバムになっています。
残念なのは、この後、トニーレヴィンが加入し、lineup7に移行といわれながら、ニュースが聞こえてこないこと。それまでは、自分の好きな時期のKCを聞いて待ちましょう。
ズンタカしないで
★★★★☆
聴く人それぞれに色々な思い入れがあるバンドですから、単純に善し悪しは語れません。
ただビル・ブラッフォードどパット・マステロットのスタイルの大きな違いによって、
必然的にこういうヘビーな音楽へとクリムゾンが向かっていったのだろうなと理解しています。
今後はトレイ・ガンが抜け、またトニー・レヴィンが復帰するそうですが、パットとトニーの
リズムセクションがどのようなサウンドへクリムゾンを導いていくことになるのか、
期待しています。