GOSH
価格: ¥3,045
98年以来となる両者のコラボレーション第2作。前作録音時のポンタ・ボックスはトリオ、いまはポンタと佐山雅弘のデュオ・プロジェクト。しかも同バンドの最新作には村田陽一らが加わっていた。という具合にポンタ・ボックスは変化しており、本作もそうした変化を踏まえた形の作品となっている。ベースは岡沢章。村田陽一をはじめとするホーン奏者も加わっていて、スタンダード曲中心というのは同じでも、前作とはかなり違った感触のアルバムになっている。
以前吉田美奈子にインタビューしたとき、「ジャズでもポップスでも、歌う時は私にとってカヴァーですから、いい曲はなんでも歌えばいいという姿勢なんです」と語っていた。今回それを実践していて、マイルス・デイヴィスのレパートリーからスタンダード、ローラ・ニーロの曲まで多彩なナンバーを独自の切り口で歌っている。そのスタンスは歌手というよりミュージシャンのそれだ。ベイシー楽団でおなじみの<5>はポンタと美奈子のデュオ。エリントン・ナンバーの<10>ではスキャットも聴かせる。(市川正二)