また著者は、在宅ビジネスこそがよりよい成功を実現する形だとして、サラリーマンのメンタリティーや人を雇って手広く起業することに疑問を呈す。それよりも個人事業主として自由や充実感を得ながら儲けられる環境が整っているというのだ。働く意義やスタイルなどを見直すよいきっかけになるだろう。
具体的な指南では、在宅ビジネスの選び方や必要な能力、マーケティングやアイデアの創造、時間やお金、自己の管理、パートナー選びなどでアドバイスを展開する。在宅ビジネスの実例から論じるのではないがアドバイスは実戦的で、米国の成功した企業やビジネスパーソンの豊富なエピソードが視野を広げてくれる。とくに、個人ではなかなか徹底しきれない顧客思考や戦略的発想、変化への対応、パフォーマンス評価の視点が得られるのは貴重である。
これから米国のようにますます活発になっていく在宅ビジネス。本書はその担い手に向けた本格的な手引書といえる。(棚上 勉)