闇がアースシーを覆いつつあった。アースシーとそこに暮らす魔法使いたちが魔法の力を失っていくなか、偉大なる賢人で魔法使い、そして竜の使い手でもあるゲドは、若きアレン王子とともに、最果てへの航海に乗り出す。悪の力の源を突き止め、アースシーが渇望する魔法の力を回復させるために、ふたりは死の国の境界へとおもむくのだった。

数百万部を売り上げたアーシュラ・K・ル=グウィンの『Earthsea Cycle』（邦題『ゲド戦記』）は、世界中のファンタジー愛好家の本棚で、宝物としての地位を獲得している。複雑で創造力に富み、奥深い倫理観を漂わせるこのシリーズは、J・R・R・トールキンやC・S・ルイスの作品にも匹敵する究極のファンタジーとして、ル=グウィンを史上もっとも名の知られたファンタジー/SF作家に押しあげた。ル=グウィンは現在、オレゴン州ポートランドに暮らしている。