ただし、この本はある程度古典的な計量経済学モデルを学習したあとにやるとなお効果的なのではないかと思います(行列についても少し解説が少ないので、別の本(たとえばJohnstonやGreene)をつかって取り組む必要があるかもしれません)。恐らくこの本とGREENEをあわせてやれば、かなり網羅的に計量経済学をマスターすることができるでしょう。
大学学部レベル向けに下手に易しく書こうとしている計量経済学のテキストは世にたくさんあるが、むしろこういうテキストから入った方が計量経済学の基本的なところがしっかり理解できて良いと思う。
問題の略解も大体ある(なくてもヒントが答え同然)ので、理解の助けとなる。
日本人(林先生)が書いているだけあって、英語だがとても読みやすい。
唯一欠点を述べるとすれば、説明が丁寧で基礎的なトピックを中心としている分、扱っている内容が比較的狭いことか。